5月の自動車生産台数、2022年初の20万台に到達

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年06月15日

ブラジルの全国自動車製造業者協会(ANFAVEA)によると、5月の自動車(乗用車・商用車、バス、トラックの合計)生産台数は、前年同月比6.8%増の20万5,916台だった。2022年に入って初の20万台を突破した。ANFAVEAは6月7日付プレスリリースで、幾つかの工場で一時生産停止を余儀なくされる状況(注)は続いているものの、自動車生産は世界的な半導体不足の課題に対応していくだろうと述べた。

国内販売台数(新車登録ベース)は前年同月比0.9%減の18万7,064台だった。2022年1月単月の国内販売台数は12万6,500台だったが、その後右肩上がりで増加している。ANFAVEAは5月の国内販売台数増の要因について、生産台数の増加が下支えしたことと、5月は営業日が多く確保されたことが影響したと説明した。

輸出台数は前年同月比24.6%増の4万6,069台だった。ANFAVEAによると、コロンビアやチリ向けの自動車輸出が牽引した。

こうした状況も踏まえ、ANFAVEAは2022年1月に予測した同年の生産台数見込み246万台、国内販売台数(新車登録ベース)見込み230万台、輸出台数見込み39万台のまま据え置いている。ANFAVEAのマルシオ・デ・リマ・レイチ会長は「生産台数と国内販売台数が年初から徐々に増加し、市場が一貫した成長を見せていることは注目に値する。輸出台数は増加傾向になっている。国内の自動車業界は過去の傾向から、上半期より下半期に活気づく傾向があるため、この成長リズムが維持されていくものと捉えている」と述べている。

(注)ANFAVEAが6月7日に公開した共同記者会見資料によると、2022年1月から5月の間に原材料の供給や物流網の乱れによる問題で業界が受けた影響として、合計16の工場による生産活動の一時停止(日数では合計331日の生産活動日)、15万台の生産台数が失われた。2022年1月から5月の累計では、生産台数は前年同期比9.5%減の88万8,091台、国内販売台数(新車登録ベース)は前年同期比17%減の73万9,974台、輸出台数は前年同期比19.4%増の19万8,945台。

(古木勇生)

(ブラジル)

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