ASEAN税関局長会合、通関書類の電子的交換など議論

(ASEAN)

ジャカルタ発

2022年06月15日

ASEAN税関局長会合が6月7~8日、シンガポールでハイブリッド形式で開催され、共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。植物検疫に係る電子検疫システムや、HS2022をベースとする「ASEAN統一関税品目分類コード2022年版(AHTN2022)」などの進捗状況について、以下のとおり報告が行われた。

  • 8カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ)で、ASEAN税関申告書(ACDD)が実際に運用されていることを歓迎。残り2カ国(ラオス、ベトナム)についても、2022年中に運用が開始されることを期待。
  • 2022年内にインドネシア、マレーシア、タイの間でASEANシングルウィンドウ(注1)での植物検疫に係る電子検疫システム(e-Phyto)の交換が実施されることに期待。
  • ASEANのダイアログパートナー(対話国)である中国、日本、韓国、米国との通関書類の電子的交換に関する議論の進展に留意。また、日本、中国との原産地証明書の電子的交換に向けた技術的・法的枠組みに関する議論を開始することで合意。
  • AHTN2022について、カンボジア、インドネシア、マレーシア、タイが既に導入していることに留意(2021年8月30日記事2022年3月31日記事参照)。残りのASEAN加盟国は2022年末までの導入ための努力を強化する。
  • カンボジア、ラオス、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム間で行われたASEAN 通関システム(ACTS)を利用した最近の貨物移動に留意。民間セクターとともに、ACTSをより利用しやすいよう改善していくことに留意。

(注1)通関手続きを電子化するナショナル・シングル・ウィンドウ(NSW)を各国間で相互に接続し,電子データの交換を行なうもの。米国の支援により導入。

(注2)ASEANの複数国をまたぐクロスボーダー陸上輸送の際に、トランジット貨物(通過貨物)にかかる各国境での通関手続きを円滑化する制度。EUの支援により、陸でつながるタイ、マレーシア、シンガポールなどで導入が進む。

(上野渉)

(ASEAN)

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