米カリフォルニア州など西海岸3州知事、中絶権保護に関するコミットメント発表

(米国)

サンフランシスコ発

2022年06月28日

米国西海岸のカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州の知事は6月24日、中絶や避妊薬を含む生殖医療へのアクセスを守るためのコミットメントを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、他州が3州に人工妊娠中絶の禁止措置を持ち込もうとする動きから患者や医師を守ることを約束した。このコミットメントは、女性の中絶権を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を破棄して各州に中絶の規制を委ねた同日の最高裁判所の判断(2022年6月27日記事参照)に対する知事たちの約束とみられる。

3知事は「西海岸は今後も、生殖医療が利用しやすく、保護された場所であり続ける」とのビデオメッセージを発出し、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は「カリフォルニア州はオレゴン州、ワシントン州と団結し、女性のために立ち上がり、生殖医療へのアクセスを保護する。われわれは、われわれの州で生殖医療を求める患者やその医療を提供する医師が刑事訴追によって脅かされることを傍観することはできない」などとコメントした。

ニューサム知事は6月24日、中絶医療の提供、援助、受診に関し、法的責任から州民を保護するための州法(AB1666)に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、同知事は5月11日、1月に発表した6,800万ドルの生殖医療関連予算案に、追加で5,700万ドルを投じる総額1億2,500万ドルの「生殖医療パッケージ」を提案していた(2022年5月16日記事参照)。パッケージの中には、中絶手術費用が医療保険でカバーされない低・中所得者への医療行為を対象とした、医療機関に対する4,000万ドルの助成金の拠出なども含まれている。

サンフランシスコ・ベイエリア各地で最高裁判断に対する抗議デモ

最高裁判所の判断が出された6月24日、サンフランシスコ・ベイエリアの各地でも、この判断に対する抗議デモが発生した。参加者は「中絶は権利・医療」「私の身体は私の選択」などと声を上げ、中絶の権利を求めていた。

写真 サンフランシスコ市中心部の抗議デモの様子(ジェトロ撮影)

サンフランシスコ市中心部の抗議デモの様子(ジェトロ撮影)

(石橋裕貴)

(米国)

ビジネス短信 79861c1c5c7ffdd6