北京市朝陽区、3日連続で全員PCR検査を実施

(中国)

北京発

2022年06月14日

北京市では6月9日以降、繁華街のバーで発生した新型コロナウイルス感染のクラスターが拡大しており、13日午後3時時点までに確認された累計感染者は228人に上り、感染者の範囲も市内15の区と開発区に及んでいる。クラスターの感染者や濃厚接触者などを特定するトレーシングも広範囲にわたっており、感染者が立ち寄った場所に家族が一定の時間立ち寄っていただけで自宅隔離(注1)となる事例が出ている。

クラスターが発生したバーが所在する北京市朝陽区では、6月13~15日の3日間にわたってスクリーニングのため全員PCR検査が行われている。北京市経済技術開発区でも14~16日の3日間、PCR検査を実施すると発表した。

朝陽区や東城区の文化旅游局は、今回のクラスターに関連する「社会面」(注2)の感染者が確認された6月9日当日の午後から音楽・娯楽施設やインターネットカフェなどの営業を一時停止した。13日の北京市の記者会見では、海淀区で音楽・娯楽施設やインターネットカフェ、ゲームセンター、推理ゲームや脱出ゲーム用施設などの密室空間にある多数の施設が営業を一時停止したことが明らかにされた。13日には北京市体育局がオフラインのスポーツイベントの開催を一時停止すると発表した。

このほか、報道によると、発生源のバーに近接する北京市の繁華街三里屯では多数のバーが閉鎖され、飲食店も多くが店内飲食の提供を停止しているとされている(「新京報」6月14日)。

市内の各種公共施設、オフィスビルなどに入る際には、引き続き72時間以内のPCR検査陰性証明が求められている。また、上記の報道されているエリア以外の地域では、飲食店内の飲食は引き続き可能となっているが(2022年6月6日記事参照)、飲食店を経営する企業などは結婚披露宴や誕生日会、団体の宴会など集団による会食を暫時開催しないよう市当局から求められているほか、11日に北京市商務局が発表した飲食業向けの新たな防疫ガイドラインには、来店者も離席時はマスクを着用することなどを規定した。

他方で、北京市は新型コロナウイルス感染拡大防止抑制と経済の安定成長の両立に向け、社会保険料納付猶予など45項目の取り組みを発表(2022年6月13日記事参照)しており、感染拡大防止に努めつつ、経済活動の正常化を図っている。

(注1)自宅の玄関から外に出ることができない状態。

(注2)「社会面」とは、「封控区」や「管控区」などの封鎖・管理区域以外のエリアを指す。

(小宮昇平)

(中国)

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