電気、ガス料金の補助金対象となる所得階層別セグメントを発表

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年06月17日

アルゼンチン政府は6月16日、政令332/2022号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、これまで一律に適用していた住宅向けの電気、ガス料金への補助金を、所得階層に応じて増減させるセグメントを発表した。エネルギー補助金の削減は、IMFとの債務再編交渉で財政赤字削減のためにIMFがアルゼンチン政府に強く求めていた事項だ(2022年3月30日記事参照)。政府は5月に電気、ガス料金の値上げに向けた公聴会を開催したが、所得階層別のセグメントはこれまで公表していなかった(2022年6月6日記事参照)。

政府は、高所得層(レベル1)、低所得層(レベル2)、中所得層(レベル3)の3つのセグメントを設けた。このうち高所得層は補助金の対象外となる。経済省(6月16日付)によると、消費者の10%が高所得層に該当するという。

高所得層は、1カ月の純所得が国家統計センサス局(INDEC)が公表する基礎的総合バスケット(4人世帯)の3.5倍〔5月は33万3,411.30ペソ(約36万6,752円、1ペソ=約1.1円)以上、車齢5年未満の自動車を3台以上保有、不動産を3件以上保有、高級船舶、航空機を1艇(1機)以上保有などの要件のいずれかに該当する者。

低所得者層は、1カ月の純所得が基礎的総合バスケット(4人世帯)以下(5月は9万5,260.37ペソ以下)、低所得区域の居住者などの要件に該当する者。高所得層、低所得層以外は中所得層となる。

経済省よると、低所得層、中所得層向けの電気、ガス代の値上げ幅は前年の賃金指数上昇率のそれぞれ4割、8割を上限とするため、2022年の値上げ幅は、低所得層は電気、ガス合わせて21.4%、中所得層は同42.7%。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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