6月から電気およびガス料金を再び値上げ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年06月06日

アルゼンチン政府は5月28日、天然ガスおよび電気の公共料金の見直しを可能にするべく、エネルギー庁決議第403/2022号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよびエネルギー庁決議第405/2022号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。2022年6月1日以降の天然ガスおよび電気の消費が対象となる。

電気およびガス料金は、2020年6月に公布された政令543号に基づき価格が凍結されていた。その後、2022年3月に約20%引き上げられた。5月には、公聴会の開催などを経て、再び価格が見直されることになり、上記決議の公布に至った。

今回の見直しによって、一般世帯向けの天然ガス料金は18%から25%の間で引き上げられる。一般世帯向け電気料金は、ブエノスアイレス市および近郊で約16%引き上げられる。地域、州により料金の引き上げ率は異なる。公共料金の「社会料金〔脆弱(ぜいじゃく)層に対する割引料金〕」を受けている世帯の引き上げ率は、約8%となる。商業などの電気料金は約16%から19%の間で引き上げられる(国家天然ガス監督機構、国家電力監督機構および各種現地報道より)。

また、5月27日付現地紙「アンビト」によれば、アルゼンチン国営水道会社(AYSA)は、水道料金を6月に約20%、10月を約10%引き上げ、年間合計では32%の引き上げを予定している。

マルティン・グスマン経済相は、「今回が年内最後の公共料金の値上がりとなる」と述べ、「IMFとの合意どおりに公共料金に対する補助金を削減することは困難」だと、現地ラジオ番組のインタビューで説明した。なお、高所得世帯など所得階層別の公共料金の値上げ実施については明確にされていない(5月30日付現地紙「インフォバエ」)。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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