モロッコの自動車産業の魅力紹介、ジェトロがウェビナー開催

(モロッコ、日本)

中東アフリカ課

2022年06月15日

ジェトロは5月27日、モロッコ投資貿易開発庁(AMDIE)との共催で、ウェビナー「成長の続くモロッコの自動車産業」を開催した。モロッコはアフリカ大陸有数の自動車生産国で、欧州市場向けの小型電気自動車(EV)の生産も開始されている。2022年4月23日には日本との間で投資協定も発効し(2022年4月7日記事参照)、今後さらなるモロッコの自動車産業の成長と日本とのビジネス連携が期待されている。

冒頭でジェトロ・アフリカ地域担当の仲條一哉理事は、モロッコで日本企業は5万人の雇用を創出する最大の雇用者となっており、同国の製造業を支えていると述べた。ラシャッド・ブフラル駐日モロッコ大使は、これまでの10年間で進出日系企業が2倍以上に数を増やしていると述べ、今後は投資協定と租税条約の発効を受け、自動車分野に加え、航空や製薬、繊維、再生可能エネルギー、農業等で日本との連携が進むことを期待するとした。

ジェトロ・ラバト事務所の本田雅英所長は、モロッコのビジネス環境について講演し、同国の強みとして、政治的・社会的安定や、欧州市場へのアクセスの良さ、高速道路や鉄道インフラの整備、良質で低廉な労働力、多くの自由貿易協定(FTA)や中東・アフリカ地域との経済連携を挙げた。一方で、課題については、資金の国外への移動で認められないケースがあることなどを指摘。新規投資の際は当局へ事前に確認を行うなどの予防措置を取ることを勧めると述べた。

モロッコ政府の投資・ビジネス環境部長のアリ・セディッキ氏は、自動車産業がモロッコの最大の輸出部門で、昨年の輸出総額は80億ユーロ以上、国内に250を超える国際的サプライヤーが進出していると述べた。数年前まで20%以下だった現地調達率は60%に達しており、政府は民間企業と戦略的パートナーシップを結び、人材育成にも力を入れていると説明した。

モロッコ自動車工業会(AMICA)事務局長のアブデラジーズ・メフタへ氏も登壇し、自動車産業の歴史や同国の自動車産業エコシステムを紹介した。乗用車の年間生産台数はアフリカ最大級で、欧州への新車の輸出国としては2番目となっている。2021年は国内で70万台の車両を製造し、政府は今後100万台に生産能力を向上させる計画だ。自動車産業全体では22万人の雇用を創出している。

税制が優遇される自由貿易特区がモロッコには多くあるのも特徴だ。その中から、タンジェ地中海特別庁、タンジェ・メッド・グループのプロジェクトマネジャー、ハリド・ハスニ氏が登壇した。タンジェエリアには8つのフリーゾーンがあり、自動車産業や航空、情報通信技術(ICT)、物流などさまざまな部門の1100の多国籍企業が入っている。どのゾーンもタンジェ港から高速道路で30分から50分ほどの好位置にある。タンジェ・メッドに展開している日本企業は12社あり、輸出総額は5億1,800万ユーロに上るという。

最後に、進出日系企業のヤザキ・モロッコ・メクネス工場長のロトゥフィ・ジュバリ氏が登壇した。ヤザキは現在1万5,000以上の社員を雇用しており、タンジェ、ケニトラ(2拠点)、メクネスに工場がある。高電圧ワイヤーハーネスなどの自動車部品を供給しており、2020年7月~2021年6月の売上額は125億ユーロだったと説明した。

(平岡優)

(モロッコ、日本)

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