関係強化を議論、ASEAN-インド特別外相会合開催

(ASEAN、インド)

ジャカルタ発

2022年06月22日

インドのニューデリーにおいて6月16日、ASEAN-インド特別外相会合が開催され、共同議長声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が発表された。同会合は、両国のパートナーシップ樹立30周年を記念して開催された。共同議長声明で合意された主なポイントは以下のとおり。

  • ASEAN主導の既存メカニズムを活用し、政治、安全保障、経済などの分野において、ASEANとインドが戦略的パートナーシップをさらに強化・深化させる。
  • 国際法に基づく多国間主義へのコミットメントを再確認する。
  • ASEANが提唱する「インド太平洋に関するASEANアウトルック」(AOIP、注1)とインドが提唱する「インド太平洋海洋イニシアティブ」(IPOI、注2)との間で、海上安全保障、海上連結性、ブルーエコノミー(注3)などの分野での協力可能性を探る。
  • ASEAN-インド自由貿易圏(AIFTA)の潜在力を最大限に発揮するため、ASEAN-インド物品貿易協定(AITIGA)の見直しを早期に開始し、AITIGAが企業にとってより使いやすく、シンプルで貿易円滑化に資するものとする(注4)。
  • ASEANとインドの経済を支える中小零細企業(MSME)の発展を引き続き促進し、デジタルトランスフォーメーションへの準備を行う。
  • 国防分野での協力を強化するため、2022年11月のASEAN-インド国防相非公式会合およびASEAN-インド海上演習の提案を歓迎。

ベトナムのブイ・タイン・ソン外相は「インドのASEANに対する平和・安全保障などの貢献を考えると、同国との戦略的パートナーシップを今こそ格上げするべきだ」と発言した(「タイムズ・オブ・インディア」6月18日)。

(注1)2019年の第34回ASEAN首脳会議において採択された、ASEAN独自のインド太平洋構想(2019年6月28日記事参照)。

(注2)2019年の東アジアサミットの場で、インドのナレンドラ・モディ首相が提唱(インド外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。自由で開かれた包括的、かつルールに基づくインド太平洋地域の実現を目指すもの。

(注3)水産業、海運、洋上風力発電、海水淡水化などの海洋に関連する経済活動を指す。

(注4)AIFTA、AITIGAについてはジェトロウェブサイト参照

(上野渉)

(ASEAN、インド)

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