汚染と炭素排出削減の相乗効果向上のための実施方案を発表
(中国)
上海発
2022年06月24日
中国・生態環境部、国家発展改革委員会など7部門は6月13日、「汚染削減と炭素削減の相乗効果向上のための実施方案」(以下、方案)を発表した。発表によれば、カーボンピークアウト、カーボンニュートラルと生態(エコ)文明建設(注)の実行において、協力して汚染や炭素の削減を推進し、一体的な計画・体制・推進・審査を実現するために、同方案を制定したという。
実施原則においては、次の点が強調されている。
- 相乗効果を発揮させる。システムのコンセプトを堅持し、カーボンピークアウト、カーボンニュートラルと生態環境保護に関する業務を、統一的に計画する。また目標、地域、分野、任務、政策、監督管理などで協力を強化し、生態環境政策とエネルギー産業政策の協同性を強化する。それにより、カーボンピークアウトのための行動と環境管理の相乗効果を発揮させる。
- 排出源の抑制とコンロトールを強化する。環境汚染物質と炭素排出の主要な排出源をしっかりと見極める。主要分野、重点業界、重要な部分を際立たせ、資源エネルギーの節約と効率的な利用を強化する。汚染および炭素削減に有利な産業構造、生産方式、生活方式の形成を加速する。
また、具体的な目標は、次のとおり。
- 全国で、電炉製鋼の割合を2025年に15%、2030年には20%以上に上昇させる。2025年の再生アルミニウム生産量を1,150万トン、2030年の電解アルミニウム製造における再生可能エネルギーの利用割合を30%以上に向上させる。
- 2030年までに、大気汚染防止重点地域の新エネルギー自動車の新車販売台数を、自動車新車販売台数の50%前後とする。
- 2025年までに、主要な固体廃棄物の総合利用率を60%とし、主要な固体廃棄物の量を秩序立てて減少させる。
(注)中国は、資源節約と生態系や環境の保護を強化するとして、2012年の中国共産党第18回全国代表大会で「生態文明建設」に言及した(2018年1月29日付地域・分析レポート参照)。
(高橋大輔)
(中国)
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