対中追加関税は重要な手段、タイ米USTR代表が議会公聴会で証言

(米国、中国)

米州課

2022年06月24日

米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は6月22日、2023年度USTR予算に関する米上院歳出委員会小委員会の公聴会で、対中追加関税やインド太平洋経済枠組み(IPEF)について証言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行った。

1974年通商法301条に基づいて、中国原産の輸入品に課している追加関税(301条関税)について、タイ代表は「対中追加関税は重要な手段」と述べた上で、「追加関税の撤廃は一時的かつ限られた措置で、既存の関税全てがなくなるわけではない」として、歴史的な水準で高止まりするインフレ対策としての301条関税の見直しに否定的な見解を示した。また、「われわれの経済的利益と価値を守るために、利用可能な全ての手段を用い、また新たな手段を策定しなければならない」「中国は、半導体をはじめとする多くの戦略的産業分野に非常に力を入れているが、これらは米国にとって将来の競争力に係る非常に重要な問題」「大局的な観点からもボールから目を離さないようにする必要がある」と、経済安全保障の観点からの貿易政策の重要性を説明した。

なお、対中追加関税は、第1弾から第4弾までがトランプ前政権下で発動されているが、発動から4年目を迎える2022年7月6日以降、順次、失効時期を迎えることから、USTRは2022年5月3日、これらの措置の延長を検討するプロセスを発表している(2022年5月6日記事参照)。

また、タイ代表は「バイデン大統領は現代の貿易システムと根本的に相いれない政策に立ち向かうために、市場経済が協調して行動しなければならないことを認識している。それが、米国がパートナー・同盟国との関与に焦点を当てている理由だ」として、多国間協力体制の強化に取り組むバイデン政権の通商政策を説明し、IPEFについては「アジア太平洋地域のパートナーとともにUSTRが現在行っている最も重要な取り組みの1つ」と、その重要性を説いた。

IPEFにおける市場アクセスの改善について、「交渉テーブルの上にないのか」との質問に対しては、「IPEFは市場アクセスに関するもの」と前置きした上で、「それは関税自由化を意味するものではない」「物品貿易を超えた包括的で新しいルールを検討している。デジタル経済の問題は関税とはあまり関係はない」「IPEFの交渉の場ではデジタルに対する包括的で強固なアプローチが必要になる」と発言し、今後、デジタル貿易を主眼に参加国間で交渉を進める姿勢を示した(2022年6月7日記事参照)。

(葛西泰介)

(米国、中国)

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