米国民の77%が自動運転の開発よりも安全性の向上を重視、米自動車協会調査

(米国)

米州課

2022年05月17日

米国自動車協会(AAA)は5月12日、自動運転に関して1月13~16日に実施した消費者調査の結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注1)。

同調査によると、米国民の77%が自動運転車の開発よりも、安全システムの改善を自動車メーカーに求めていることがわかった。実際、AAAのエンジニアチームが計15回の実証実験を行ったところ、レベル2(注2)の自動運転車は、走行車線に入ってきた対向車との正面衝突を一度も避けることができなかったという。また、自動運転車は、走行車線を横断する自転車に33%の確率で衝突した。このような現状にあって、AAAは、回答者の85%は依然として自動運転技術に恐れを抱いており信頼していないとしている。

近年、レベル2の自動運転車は公道で一般的になっており、レベル3(注3)の車両も販売されるようになった。ホンダは2021年9月8日に、米ゼネラルモーターズ(GM)およびGMクルーズと共同で、日本で展開予定のレベル4(注4)の自動運転車について栃木県宇都宮市で技術実証を開始すると発表している。

こうした自動運転に関する技術開発が進む一方、AAAによる今回の発表のように、システムの安全性には懐疑的な見方が多い。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は2021年6月29日、オートパイロット機能を搭載したテスラの車両が停止中の緊急車両に衝突する事故が相次いだことを受け、自動車メーカーに対して、自動運転「レベル2」以上の車両が衝突事故を起こしたと分かった場合、1日以内に報告するよう求める命令を発出した。また、現状では、自動車運転に関する連邦レベルでの包括的な法的枠組みが十分に整備されていないことから、ピート・ブティジェッジ運輸長官は2022年5月3日に開かれた上院商業科学運輸委員会の公聴会で、関連法案の早期可決を要請している(2022年5月10日記事参照)。

AAAの自動車工学責任者であるグレグ・ブラノン氏は、自らの実証結果に関して、「(レベル2の)自動運転システムが、同じ車線を走行する速度の遅い車両や自転車をうまく検知できたことは心強い半面、横断する自転車や対向車を検知できなかったことは憂慮すべきだ。正面衝突は最も致命的であり、当該システムを最適化することが必要だ」と述べている。

(注1)対象は、18歳以上の米国人1,107人。オンラインと電話を使ったハイブリッド調査。

(注2)システムがステアリング操作と加減速のどちらもサポート。

(注3)システムが特定の場所で全てを操作、緊急時はドライバーが操作。

(注4)システムが特定の場所で全てを操作。

(片岡一生)

(米国)

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