米フォードがEV生産計画を撤回、チェンナイ工場の従業員に通告

(インド、米国)

チェンナイ発

2022年05月27日

インドでの報道によると、米国自動車大手フォードのインド法人フォード・インディアは5月12日、電気自動車(EV)生産計画の撤回を決めたもようだ。同社は今回の事業再編に関し、労働組合と他の利害関係者に対し、公正でバランスの取れた計画を提示するとし、同日にタミル・ナドゥ(TN)州のチェンナイ工場の従業員にその旨を通告した。

なお、チェンナイの「グローバル・テクノロジー&ビジネス・センター」については、引き続き研究開発拠点として維持するとみられる。

フォードは1995年にインドに進出し、近年はチェンナイ工場でスポーツ用多目的車(SUV)モデル「エコスポート」と「エンデヴァー」を、グジャラート州サナンド工場でセダンタイプの「フィゴ」「アスパイア」、SUVモデル「フリースタイル」を生産していた。しかし、ここ数年のインド全体の生産・国内販売台数は落ち込んでいた(添付資料図参照)。

同社は2021年9月、インドでの車両生産中止を発表した(2021年9月24日記事参照)が、2022年2月に自動車分野の生産連動型優遇策(PLI)の対象企業として承認され(2022年2月17日記事参照)、輸出向けEV生産の検討を行っていた。

TN州政府は、チェンナイ工場でのEV生産などについて同社と協議していたが、奏功しなかった。現在、同社は地場自動車大手マヒンドラ&マヒンドラ、EV二輪を生産しているオラ・エレクトリック・モビリティーと、売却に関する協議を行っているとされる。

(浜崎翔太)

(インド、米国)

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