中央準備銀行、政策金利を4.50%から5.00%に引き上げ

(ペルー)

リマ発

2022年05月24日

ペルー中央準備銀行(BCR)は5月12日の金融政策決定会合で、政策金利を前回(2022年4月12日記事参照)に続いて引き上げ、4.50%から5.00%にすると発表した。BCRは引き上げ理由について、以下のとおり説明している。

  1. 国際的な食料や燃料価格の急上昇により、直近12カ月間の累計インフレ率が3月の6.82%から4月は7.96%となり、政府目標値(1~3%)を上回った。食料とエネルギーコストを除く12カ月間累計インフレ率も3月の3.46%から4月は3.81%に増加し、同様に目標値を上回っている。
  2. 2021年後半から続いている原油や食料価格の顕著な高騰に加えて、直近の国際紛争などによる影響が世界的に過去数年間に類を見ない規模でのインフレ率上昇を先進国や中南米地域にもたらしている。そのため、インフレ率が目標値(1~3%)内に収まるのは2023年第2四半期(4~6月)、第3四半期(7~9月)ごろになる見通し。
  3. インフレ率が下降傾向になるのは、同指標に影響する為替、原油や食料価格の高騰が収まり、経済活動がまだ本来の水準を下回っているであろう2022年の7月以降の見通し。
  4. 2022年のインフレ率の見通しは3月から4月にかけて4.39%から4.62%に上昇し、目標値の上限を上回っている。
  5. 新型コロナウイルスの影響や、消費財やサービスの国際供給力の低下、先進国の財政刺激策などの効果に対する不透明感などにより、世界的に経済活動が鈍化したものの回復基調にある。一方で、国際紛争や中国での新型コロナ感染拡大によるロックダウンなどの影響により、国際経済の回復時期やとコモディティー価格の上昇圧力に対する不透明感は増している。

BCR理事会では引き続き、インフレ率やその見通し、経済動向などを注視しながら、必要に応じて緩和的金融政策を維持しつつ、不安定な金融市場を下支えしていくとしている。次回のBCR金融政策決定会合は6月9日に予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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