中央準備銀行が政策金利を4.50%に引き上げ、物価高は2023年半ばまで続く見通しを維持

(ペルー)

リマ発

2022年04月12日

ペルー中央準備銀行(BCR)は4月7日の金融政策決定会合で、政策金利を前回(2022年3月14日記事参照)に引き続き引き上げ、4.00%から4.50%とすると発表した。BCRは、今回の引き上げの理由について以下のとおり説明している。

  1. 国際的な食料や原油価格の急上昇により、直近12カ月間累計のインフレ率が2月の6.15%から3月は6.82%となり、政府目標値(1~3%)を上回った。食料とエネルギーコストを除く3月の12カ月間累計インフレ率も2月の3.26%から3.46%に微増しており、同様に目標値を上回っている。
  2. 2021年後半から続いている顕著な原油や食料価格の高騰に加えて、直近の国際紛争などによる影響が、世界的に過去数年間において類を見ない規模でのインフレ率の上昇を先進国や中南米地域にもたらしている。そのため、インフレ率が目標値(1~3%)内に収まるのは2023年の第2四半期(4~6月)と第3四半期(7~9月)の間になる見通し。
  3. インフレ率が下落傾向になるのは、一時的な原油や食料価格の高騰が収まり経済活動がまだ本来の水準を下回っているだろう2022年の7月以降の見通し。
  4. 2022年のインフレ率の見通しが3.75%から4.39%に上昇し、目標値の上限を上回っている。
  5. 新型コロナウイルスの影響や、消費財やサービスの国際供給力の低下、先進国における財政刺激策などの効果に対する不透明感などにより、世界的に経済活動が鈍化したものの回復基調にある。一方で、直近の国際紛争により国際経済の回復時期やとコモディティ価格の上昇圧力に対する不透明感は増している。

BCR理事会では、引き続きインフレ率やその見通しや経済動向などを注視しながら、必要に応じて緩和的金融政策を維持しつつ、不安定な金融市場を下支えしていくとしている。次回のBCR金融政策決定会合は5月12日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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