国内取引と対外貿易の一体的な発展に向けた取り組みを試行

(中国)

北京発

2022年05月20日

商務部などの14部門は5月9日、「内外貿易の一体化発展に向けた取り組みの試行に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。1月に発表された「内外貿易一体化発展の促進に関する意見」(2022年1月26日記事参照)に基づき、具体的な措置を示したもの。通知では、今後3年間をかけて実現すべく、以下の目標などを掲げた。

  1. 国内取引と対外貿易を統一的に展開する企業を育成すること。
  2. 国内取引と対外貿易の融合発展プラットフォームを構築すること。
  3. 国際競争力を有する融合発展産業クラスターを形成すること。
  4. 国内取引・対外貿易の一体化に向けた体制・メカニズムを整備すること。
  5. 普及可能な経験・モデルを蓄積すること。

また、目標実現に向けた、具体的な取り組みは以下のとおり。

  1. 企業など市場主体の国内取引と対外貿易の統一的な展開で障害となる制度の全面的な整理、地方レベルの法規・規則の改定を推進するとともに、国内取引と対外貿易の一体化に関する評価・制度システムの構築を検討する。
  2. 先進的な国際標準を積極的に採用し、国際標準の制定に参画する。国内・国際標準の相互認証を推進する。
  3. 国内取引・対外貿易を統一的に展開する市場主体を育成する。デジタル化を加速し、国内取引と対外貿易の産業チェーン・サプライチェーンの融合を促進する。
  4. 国内取引・対外貿易の融合発展プラットフォームを構築する。良質な国内外の商品・サービスが集まる商業圏を整備し、企業による全世界を網羅する海外倉庫ネットワークの整備を支持し、国内取引・対外貿易の一体的な発展を下支えする海外プラットフォームを構築する。
  5. 国内取引・対外貿易発展に向けた環境を最適化する。
  6. 業界別、製品別に国内取引・輸出向け製品が「同じ生産ラインで生産され、同じ基準、同じ品質」になるように取り組む。
  7. 国内取引・対外貿易を統一的に手掛ける専門人材を育成する。

今回の通知では、国内取引と対外貿易の一体化に向けたモデル事業の実施を希望する地方政府は、6月12日までに商務部に届け出るものとしており、その後商務部は、関連部門と連携してモデル事業実施対象地域の選定を行うとしている。

中国国際経済交流中心経済研究部の劉向東副部長は「内外貿易(国内取引と対外貿易)の一体化発展に向けた取り組みの試行は、全国統一の市場および新たな発展局面の構築の重要な下支えとなる取り組みであり、国際経済・貿易に関する高水準なルールとの整合、世界市場への連結に寄与すると同時に、資源配置の最適化、産業チェーン・サプライチェーンの安定化と効率化を促進し、企業が国内市場と国際市場を有効に活用し、融合的発展の実現にもつながる」と評価した(「証券日報」5月12日)。

(張敏)

(中国)

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