プラユット首相がIPEF発足式にリモート出席、地域の貿易投資拡大に期待

(タイ、米国、ASEAN、日本)

バンコク発

2022年05月25日

タイのプラユット・チャンオーチャー首相は5月23日、日本で行われたインド太平洋経済枠組み(IPEF)の発足式にオンライン出席した(タイ政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。プラユット首相は、米国のジョー・バイデン大統領と日本の岸田文雄首相に感謝の意を表した。また、米国が地域の経済的繁栄を促進する役割にコミットしたことについて祝意を述べ、ASEAN加盟国は米国のイニシアチブを受け入れるとした。タイ政府はIPEFの声明に、国名を連ねることを5月17日に閣議決定しており(2022年5月24日記事参照)、米国側に参加意向を伝えていたとみられる。

プラユット首相はIPEFについて、政策、法律、産業、環境の水準を向上させて国家を発展させるとともに、サプライチェーン連結性強化に必要な投資資金や技術へのアクセスを可能にする機会を提供するものと期待しており、今後、より詳細な議論を希望した。

声明の中で同首相は、地域協力の重要性について繰り返し指摘しており、地域の貿易投資を拡大することで、国家・国民が豊かになるとし、「タイは自由貿易システムを堅持し、さまざまな国と自由貿易協定を締結している。タイは、地域内の包括的な経済協力が、相互の繁栄と富をもたらし、国民に最大の利益をもたらすと信じている」とした。

早々のIPEF参加に驚きの声

5月24日付バンコク・ポスト紙に寄稿されたジャーナリストのカビ・チョンキタボーン氏(チュラロンコン大学シニア・フェロー)のコラムによると、タイがIPEFに名を連ねることを早々に閣議決定したのは、有識者の間でも驚きだったという。タイでは「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」への参加の是非について、長年にわたって国内で議論が続き、結論が出ていない経緯がある。今回、早々にIPEFへの参加を決めた理由の一つには、CPTPP参加に乗り遅れた過去があり、IPEF交渉への参加については世論の大きな反対はないと見る向きが強かったこともプラスに働いた。

カビ氏によると「もし(米国の)発表の中に、本質的でない部分、タイの利益に反する部分について修正があれば、外務省は閣議決定なしに検討することが許される」とする政府発表が、タイのIPEFへの姿勢を端的に表しているという。タイに不都合があれば、交渉を打ち切る可能性がある。また、IPEFに関して各分野で交渉を進める場合は、政府のいずれの部局であっても閣議に諮る必要がある。

なお、同稿では、IPEFをオープンエンドで包括的な枠組みにすべく、米国を説得した日本の働きについて賞賛されている。開かれた枠組みになった結果、タイをはじめとするASEAN加盟国のIPEFに対する関心が高まったとしている。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、米国、ASEAN、日本)

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