米自動車業界団体、EVバッテリーリサイクル促進への提言発表、加速する需要に対応

(米国)

ニューヨーク発

2022年05月24日

ゼネラルモーターズ(GM)やトヨタ、フォルクスワーゲンなど主要自動車メーカーを代表する米国の自動車イノベーション協会(AAI、注)は5月11日、電気自動車(EV)用リチウムイオンバッテリーのリサイクルを促進させるための提言「EV用リチウムイオンバッテリーのリサイクルに関する政策的枠組み」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。EV普及に伴うバッテリー需要の増加に対応するため、政策立案者やその他の利害関係者と協働して、バッテリーサプライチェーンの構築を目指す。

AAIは政策的枠組みの対象範囲について、部品を交換しメーカー仕様に改修して再使用する「リユース(Reuse)」、改修後に元の用途とは異なる目的で再利用する「リパーパス(Repurpose)」、バッテリーから原材料を回収して再利用する「リサイクル(Recycle)」と定義している。車両やバッテリーの状態に応じてそれぞれの処理が適切に行われているかを管理する責任者を明らかにした上で、適切な処理が履行されない場合には罰則を科すとしている(添付資料表参照)。さらに、リチウムイオンバッテリーは国連が定義する危険物(クラス9)に分類され、特定の梱包(こんぽう)や輸送方法が義務付けられていることから、輸送コストがリサイクルコストの半分以上を占めるといった問題も指摘し、運輸省に対して現行規制の安全基準が過度に厳しいものではないか見直すよう提言した。

AAIは、自動車業界が電動化のために2030年までに支出する投資額について、5,150億ドルに上ると試算している。ジョン・ボゼーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は記者発表の中で「世界における輸送の未来は電気」と述べ、今回の政策的枠組みを基に、持続可能であるだけでなく、雇用を創出し鉱物の海外依存を減らすかたちでバッテリー部品を流通させ、カーボンネットゼロの実現に向けて包括的にアプローチしていくとの見方を示した。

(注)GMなど米系メーカーやトヨタなどをメンバーとする米国自動車工業会(AAM)と、ホンダや現代自動車など外資系メーカーをメンバーとするグローバル・オートメーカーズが統合して、2020年1月に設立。加盟メーカーが全米の自動車生産台数の99%を占める。

(大原典子)

(米国)

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