岸田首相、4カ国の連携強化で合意、クアッド首脳会合記者会見

(米国、日本、インド、オーストラリア、中国、ロシア、ウクライナ)

米州課

2022年05月24日

岸田文雄首相は5月24日、日米豪印のクアッド(QUAD)首脳会合(2022年5月24日記事参照)の後、記者会見を行った。

岸田首相は、ウクライナ情勢がインド太平洋地域に及ぼす影響について、各国首脳と率直な議論を行い、インドも参加するかたちで、ウクライナでの悲惨な紛争に懸念を表明し、法の支配や主権および領土一体性等の諸原則は、いかなる地域においても守らなければならないことを確認したと述べた。また、岸田首相は、北朝鮮に関して、同国の完全な非核化に向けた連携で一致し、同国における深刻な新型コロナの感染状況について「地理的空白を作らない」ための議論を行い、拉致問題の即時解決の必要性についても一致したと語った。

岸田首相は、4カ国の協力による成功事例として、クアッドワクチンの供給に向けた前進、国際協力銀行(JBIC)とインド輸出入銀行が締結した総額1億ドルの医療セクター支援にかかる融資契約を挙げ、4カ国がインド太平洋地域において今後5年間で500億ドル以上のさらなる支援および投資を目指していくことを明らかにした。また、同首相によると、4カ国は、気候変動に脆弱(ぜいじゃく)な地域諸国に対して、各国保有の衛星情報を提供する取り組みを立ち上げた。また、当該4カ国は、災害救援分野において4カ国の連携を強化するパートナーシップに合意し、海洋安全保障の分野において地域諸国間の情報共有を促進する海洋状況把握の新たなイニシアティブを設立した。オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は、2023年のクアッド首脳会合を同国で開催することを提案したようだ。

岸田首相は、記者からの質問にも応じ、中国への対応については「日米豪印の枠組みは、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、さまざまな分野で実践的な取り組みを進める場であり、特定の国を対象としたものではない」と述べた。また、同首相は、ロシアとの関係を維持するインドを念頭に、「歴史的経緯や地理的条件によって、国際情勢に対する各国の意見が完全に一致しないことは当然。他方、4カ国の首脳は、法の支配や主権、領土の一体性などの諸原則の重要性について再確認し、力による一方的な現状変更はいかなる地域においても許してはならないという認識で一致した。立場の違いがあったとしても、このような一致したメッセージを東京から世界へ発信できたことに意義がある」とした。

(片岡一生)

(米国、日本、インド、オーストラリア、中国、ロシア、ウクライナ)

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