感染増により首都圏州全域が規制緩和計画で黄色の段階に後退

(チリ)

サンティアゴ発

2022年05月16日

チリ保健省は5月10日、国内の新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあることを踏まえ、5月12日より首都圏州全域を含む95地域を3段階あるうちの規制緩和計画(2022年4月14日記事参照)の黄色〔健康への影響が中程度の段階(Fase Medio Impacto Sanitario)〕に後退させると発表した。これによりすでに黄色に後退していた16地域を含む111地域、すなわち、チリ全土の約3分の1にあたる地域が同段階に後退した。

黄色の段階では、最も規制が緩和されている緑色と異なり、コンサートやサッカーの試合など大規模イベントを行う際の人数制限が1万人までとなり、人と人との距離は1メートル以上の間隔を保たなければならない。一方で、マスクの着用有無や特別移動許可証(Pase de Movilidad)の掲示義務については緑色の段階と同じ運用となっている。

5月12日の保健省の発表によると、過去24時間にチリで行われたPCR検査の陽性率は6.89%(3万9,433件中2,717件)で、そのうち陽性率が最も高い州は、首都圏州10.71%(1万4,902件中1,596件)、次いでバルパライソ州9.70%(3,453件中335件)となっている。同省は、今回の感染増についてオミクロン変異株のBA.2株の感染拡大(2022年5月12日記事参照)を理由の一つとして挙げており、同変異株が国内で支配的となる可能性を懸念している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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