ノルトライン・ウェストファーレン州議会選、国政与党の社民党は大敗、緑の党大躍進

(ドイツ、ウクライナ、ロシア)

デュッセルドルフ発

2022年05月17日

ドイツ全16州の中で最大のGDP規模を持つノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州で5月15日、州議会選挙が行われた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

前回2017年選挙で第1党だったキリスト教民主同盟(CDU)が前回より2.8ポイント増の得票率35.7%で第1党を維持、76議席を獲得した(速報値、以下同)。オラフ・ショルツ首相が所属し国政の最大与党である社会民主党(SPD)は4.6ポイント減の26.7%で、同州で過去最低の得票率に落ち込み、56議席となった。一方、環境政党の緑の党は11.8ポイント増の18.2%となり、過去最高の得票率を記録、39議席を獲得した。自由民主党(FDP)が得票率5.9%、前回から6.7ポイント減少して12議席となった。極右の「ドイツのための選択肢(AfD)」が5.4%、1.9ポイント減で12議席だった。

これまでCDUはFDPと連立政権を組んでいたが、FDPの得票率は大きく減少した。今回の選挙結果を受けた連立政権の組み合わせ(全195議席の過半数の98議席以上となる)は、(1)CDU・SPD(132議席)、(2)CDU・緑の党(115議席)、(3)SPD・緑の党・FDP(107議席)の可能性があるが、CDUとSPDによる「大連立政権」については、両党とも選挙運動期間中に拒否した(「公共放送ARD」5月16日)。CDU・緑の党、もしくはSPD・緑の党・FDPの連立は、実現すればNRW州で初となる。過去16年間で4回の州議会選挙があったが、CDU・FDP、またはSPD・緑の党の組み合わせによる連立が続いていた。

なお同15日と16日の公共放送ARDは、今回の選挙ではウクライナ情勢に伴うエネルギー安全保障や、ガソリンなどのエネルギー価格の高騰、気候変動などが争点だったと分析。ウクライナ情勢を背景とした、ロシアへのエネルギー依存からの脱却といった課題(2022年3月22日記事2022年5月6日記事参照)に積極的に向き合う緑の党所属のロベルト・ハーベック経済・気候保護相とアンナレーナ・ベアボック外務相が同党の躍進を牽引した一方、ウクライナ情勢への対応で批判を受けているSPDのショルツ首相が得票率を押し下げたと分析した。

NRW州はドイツ全16州の中でも最大の人口を擁する。1,300万人が投票権を持ち、ドイツ全体の有権者の20%に相当するため、同州選挙は「小規模な連邦議会選挙」と見なされ、国民の政治状況に関する世論を表すバロメーターだといわれる。このため、NRW州選挙の結果が国政を担うSPD・緑の党・FDPによる「信号機連立」にも影響を与える可能性があるといわれている。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

(ドイツ、ウクライナ、ロシア)

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