IMF、中東・北アフリカ地域の2022年の成長見通しを5.0%と発表

(中東、アフリカ)

中東アフリカ課

2022年05月09日

IMFは4月27日に発表した「地域経済見通し(中東・中央アジア)」で、2022年の中東・北アフリカ(MENA)地域(注)の実質GDP成長率予測を5.0%とした(添付資料表参照)。この数値は、2022年の世界の成長予測の3.6%を1.4ポイント上回った(2022年4月21日記事参照)。

IMFはMENA地域の経済について、新型コロナウイルスや油価下落の影響を大きく受けた2020年から、2021年は強い内需の回復に牽引されて5.8%のプラス成長になるとした〔前回(2021年10月時点)〕の予測値から1.7ポイントの上方修正)。2022年もインフレの進行や、2022年1月のオミクロン型変異株の拡大といった一時的な減退にもかかわらず、その勢いを維持する見込みとした(前回から0.9ポイントの上方修正)。2023年は3.6%の成長予測とした。

一方、ウクライナ情勢の影響で、先行きについては不確実性が高く、下振れリスクがあるとした。ウクライナ問題の長期化は、食糧価格やエネルギー価格の上昇を引き起こし、資源や小麦の輸入国にとって対外債務の増大、激しいインフレ、貿易や金融の混乱などを招く可能性があるとした。しかし、資源輸出国では対外収支や財政が改善するなど、国によってばらつきが大きいとした。

国別に統計をみると、各国とも軒並み2021年の高い成長率(トルコ11.0%、イスラエル8.2%、モロッコ7.2%)に続き、2022年もプラス成長の見込みとなっている。特に油価の高騰を受けて、産油国が高い成長予測となっている(イラク9.5%、クウェート8.2%、サウジアラビア7.6%)。

消費者物価(年平均)は2021年の14.8%増に続き、2022年も13.9%増と高く、引き続き各国で金融引き締めなどの施策が必要となっている。2022年は特に、通貨トルコ・リラ安の進行下でもエルドアン大統領の施策により低金利政策を維持するトルコ(60.5%増)、核問題協議が進まずに通貨リアル安が続くイラン(32.3%増)などで著しく高い上昇率を示している。

MENA地域の経常収支(対GDP比)は、2021年のマイナス2.4%から、2022年は2.1%のプラスに転じるとされる。資源国で大きく改善の見込みとなっているが(クウェート31.3%増、カタール19.9%増、サウジアラビア19.5%増など)、モロッコ、ヨルダン、トルコなどの資源輸入国では、引き続き前年比減の予測となっている。

(注)IMFの定義では、MENAはアルジェリア、バーレーン、ジブチ、エジプト、イラン、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モーリタニア、モロッコ、オマーン、カタール、サウジアラビア、ソマリア、スーダン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダン川西岸地区およびガザ地区、イエメンの22カ国・地域。イスラエルとトルコは含まない。

(米倉大輔)

(中東、アフリカ)

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