韓米ビジネスラウンドテーブルを開催、サーモフィッシャーサイエンティフィック米科学機器企業の誘致にかかるMOUを締結

(韓国、米国)

ソウル発

2022年05月25日

韓国の産業通商資源部は5月21日、イ・チャンヤン同部長官と米国商務省のジーナ・レモンド長官の共同主宰による「韓米ビジネスラウンドテーブル」を開催したと発表した。同ラウンドテーブルには、韓国側からサムスン電子、SKグループ、LGグループなど、米国側からクルアコム、アプライドマテリアルズ、ラムリサーチなどの代表が出席した(注1)。

同ラウンドテーブルでは、韓国企業のこれまでの米国への投資に加え、国内投資も積極的に行っていくとした。「K-半導体戦略」(2021年5月19日記事参照)を発表し、2030年までに510兆ウォン(約52兆5,300億円、1ウォン=0.103円)の投資目標額を設定しているほか、現代自動車・起亜も、国内の電気自動車(EV)の生産設備の拡充、研究開発などに21兆ウォンを投資する計画を発表し、サプライチェーンの強靭化に努めていくとした。

米国企業も、半導体、バイオ、デジタルなどの分野での韓国への積極的な投資を行っているとした。半導体分野では、ラムリサーチによる半導体装置の研究開発センターの開所(2022年5月9日記事参照)、オン・セミコンダクターによる2億ドル規模のパワー半導体の拡張投資、デュポンによる2,800万ドル規模の極端紫外線(EUV)用フォトレジスト製造施設の投資などに言及した。

バイオ分野では、産業通商資源部とサーモフィッシャーサイエンティフィック(注2)の了解覚書(MOU)締結式が執り行われた。同MOUは、同社が韓国をバイオ原材料の生産工場などの設立における主要投資先として検討し、韓国政府は同社の誘致に向け積極的に努力する内容だ。MOUの締結に臨んだアン・ドックン通商交渉本部長は、「サーモフィッシャーサイエンティフィックの細胞培養培地はバイオ医薬品の生産において重要な原材料であり、誘致に向けて最善を尽くす」と述べた。

(注1)韓国側から、サムスン電子、SKグループ、LGグループ、現代自動車グループ、ロッテグループ、ハンファソリューション、OCI、ネイバーが出席。米国側からは、クルアコム、アプライドマテリアルズ、ラムリサーチ、GMコリア、ブルームエナジー、グーグル、コーニングがそれぞれ参加。

(注2)マサチューセッツ州に本社を置く科学機器、試薬、科学サービス企業。

(当間正明)

(韓国、米国)

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