DIC、マハーラーシュトラ州プネ近郊の日本企業団地に新工場

(インド)

ムンバイ発

2022年05月25日

DIC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(旧社名:大日本インキ化学工業)のインド子会社Ideal Chemi Plast(以下、Ideal)が2022年4月、マハーラーシュトラ州プネ近郊のスパ日本企業団地で新工場の建設を開始した。DICは、印刷インキ、有機顔料、PPCコンパウンドで世界トップシェアの化学メーカー。

5月17日付同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、アジアのコーティング用樹脂市場の事業拡大を目指す中で、2019年4月にIdealを買収した。そして、DICの開発能力とIdealの販売チャンネル、インド特有のノウハウ、サプライチェーンを統合して、短期間でインド市場でのポジションを高める戦略を進めてきた。主に自動車補修やコイルコーティングといった用途のコーティング用樹脂の需要が好調で、現地生産能力を早期拡大するために新工場建設を決めた。2023年7月の稼働(予定)以降は、現行の生産能力の3倍となり、環境対応製品やグローバル展開製品などの生産も可能となる。同社はさらに、生産品目の拡充だけでなく、中東やアフリカへの輸出拠点としても活用することで、南アジアでの生産拡充による成長の取り込みを実現するという。

スパ日本企業専用工業団地は、2013年4月にジェトロとマハーラーシュトラ州産業開発公社(MIDC)が締結した同州投資促進の協力覚書(MOU)に基づいて開発された(2018年8月14日記事参照)。同団地は、2014年9月に日印政府が推進する「日本企業団地」候補に選定され、2015年9月に事前申込受け付けを開始した。デカン高原にあって希少な平坦かつ工場建設に適した同団地は、同州最大の工業都市プネから75キロ、ムンバイから225キロに立地している。近郊には、タタ・モーターズ、マヒンドラ&マヒンドラ、バジャジ・オートなどインド企業、フォルクスワーゲン(VW)、メルセデス・ベンツ、BMW、シュコダ、フィアットなどの非日系自動車・二輪車メーカーが集積している。なお、446エーカー(約180万平方メートル)の日本企業専用区画には、現在3社が進出を決定している。

(松永宗徳)

(インド)

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