果物や野菜などの生活必需品の輸入税が増額に、国民生活に影響も

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年05月27日

バングラデシュ国家歳入庁(NBR)は5月23日、これまで実施している輸入抑止の追加措置として、果物や野菜、花、化粧品などの輸入にかかる調整税(RD:Regulatory Duty)を引き上げると発表した。

調整税は、輸入時に課税される税金の1つで、税率が3~35%だが、品目によっては課税されないものもある(ジェトロの関税制度ページ参照)。今回引き上げの対象となったのは、切り花(変更後の税率:20%)、タマネギ(5%)、バナナ(20%)、パイナップル(20%)、柑橘(かんきつ)類(20%)、ブドウ(20%)、リンゴ(20%)、化粧品・美容品類(20%)などで、食品や生活用品が多く含まれている。

報道によると、対象品目は130品目となり、例えば果物にかかる従来の調整税は3%だったところ、今回の措置により17ポイントの引き上げとなる(添付資料参照)。

バングラデシュは、一部の果物(柑橘類、ブドウ、リンゴなど)やタマネギなどの食品を輸入に頼っており、国民が購入する機会が多いため、生活への影響は大きくなりそうだ。現在、通貨のタカ安傾向で輸入品の価格が上昇する中、調整税の引き上げによりさらなる価格上昇で、国民生活を圧迫することが想定される(2022年3月9日記事参照)。物価上昇率は賃金上昇率の1つの基準となるため、企業にとってもコスト高要因となる可能性がある。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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