2020年1月以降、14人の閣僚が交代

(オーストリア)

ウィーン発

2022年05月11日

オーストリアのカール・ネハンマー首相は5月10日、エリザベート・ケスティンガー農業・地方・観光相とマルガレーテ・シュランベック・デジタル化・企業立地相の辞任を受けて、大幅な内閣改造を発表した(添付資料表参照)。

ケスティンガー氏の後任は48歳のノアベルト・トッチニッヒ氏で、農林・環境・水管理相となる。東チロルの農家出身の同氏はインスブルック大学の経済学科卒業後に政界に入り、国民党議員のアシスタントや大臣スタッフなどを経て、2017年に東チロルの国民党農民協会の会長に就任した。

デジタル化・企業立地相の後任としては、マルティン・コッハー労働相が今後、経済政策も引き受け、スザンネ・クラウス・ウィンクラー氏が副大臣として観光を担当する。クラウス・ウィンクラー氏はウィーン経済大学卒で、2018年からオーストリア連邦産業院のホテル業協会の会長を務めている。

財務省では、デジタル化・ブロードバンド部門が新設され、34歳のフロリアン・タースキー氏が副大臣として担当する予定。タースキー氏はこれまで、チロル州のギュンター・プラッター知事(国民党)の事務局長を務めていた。

今まで農業・地方・観光省の管轄下だった兵役代替サービスの担当は、首相府のクラウディア・プラコルム副大臣が引き受けることとなる。

ネハンマー首相によると、新しい閣僚メンバーは近日中にアレクサンダー・ファン・デア・ベレン大統領に承認される予定だ。2020年1月に「第2次クルツ内閣」(2020年1月10日記事参照)として発足して以来、国民党と緑の党の連立内閣は2021年10月、12月の首相交代を含めて(2021年12月6日記事参照)、14人が交代した。野党の社民党と自由党は前倒し議会選を要求しているが、連立与党は得票率の下落を懸念しており、早急に実施される可能性は低いとみられる。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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