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第2次クルツ内閣発足、緑の党が初の連邦政権参入

(オーストリア)

ウィーン発

2020年01月10日

オーストリアで1月7日、国民党(中道右派)を率いるセバスティアン・クルツ氏を首班とする第2次クルツ連立内閣が発足した。国民党は2019年9月29日に行われた総選挙で37.5%(前回比6.1ポイント増)の得票率を獲得し、大差で第1党の座を維持(2019年10月1日記事参照)、組閣を一任されたクルツ党首による各党との予備的協議の末、同総選挙で13.8%(10.0ポイント増)の得票率を獲得し、第4党へと躍進した緑の党との連立交渉が開始された。しかし、中道右派である国民党と左派の緑の党は、環境や移民に関する政策面で大幅な相違点があったことから、交渉には約2カ月を要した。その後、緑の党は臨時党大会で賛同を得て、連立へと至った。緑の党にとっては、連邦レベルでは初めての政権参入となる。

組閣においては、両党の政策が閣僚ポストの配分に反映された(表参照)。国民党は移民対策やビジネス環境の改善、緑の党は気候変動対策を重要視している。17人からなる第2次クルツ連立内閣では、国民党は首相のほかに、内務相や経済相、財務相など計12人の閣僚、緑の党は副首相や交通相など5人の閣僚が務める。また、女性閣僚は9人で、女性比率約53%は過去最高となった。

2020年1月2日に、「オーストリアに対する責任」という題名の政府プログラムが発表された。同プログラムは6つの項目(1.国家と透明性、2.経済・金融、3.気候変動対策、インフラ、農業、4.欧州および移民・統合政策、5.社会保障、6.教育、科学・研究、デジタル化)で構成されており、2024年までの主な政策課題をリストアップしている。

中でも気候変動対策を重要視しており、具体的には、2050年までに「気候中立(温室効果ガスの排出=ゼロ)」を目指すEUの環境政策をリードすべく、2030年までに国の電力の100%をグリーン電力で賄う目標や、EU目標よりも10年早い2040年までの気候中立の達成目標を盛り込んだ。税制では、所得税と法人税の減税の一方、1件当たり12ユーロの航空券税の導入、自動車税の増税などが計画されている。また、2022年以降の二酸化炭素税ないし排出量取引制度の導入について、検討が進められることになっている。それぞれの政策で、両党は合意を得るためにかなり妥協に強いられたため、立法・政策実行の過程で対立が生じる可能性が少なからずある。特に緑の党側にとっては、中期的に党員や支持者を説得することが困難な課題になるとみられる。

表 第2次クルツ内閣(2020年1月7日現在)

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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