中国の物流ハブを目指す武漢市、物流業発展に向けた14・5規画を発表

(中国)

武漢発

2022年05月18日

武漢市政府は5月6日、「武漢市現代物流業発展『14・5』規画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、「規画」)を発表した。規画では、2025年までに、「ネットワークが合理的で、機能が完備し、国内外とスムーズに連結し、地域間の連携が取れた、スマートで高効率、グリーンで安全」な現代化物流運行システムを基本的に構築することを目指している。具体的には、中国国内へは1日、周辺国へは2日、世界各国の主要都市へは3日間で貨物が輸送できる「世界123快速出荷物流圏」の構築や、国家物流ハブ経済モデル区の創設などを通じ、産業規模、物流サービス能力、効率性などの面で、中国において指折りの地位を目指すとしている。

2025年までの数値目標として、社会物流総額(注1)を5兆5,000億元(約110兆円、1元=約20円)に、物流業の付加価値額(注2)を2,000億元に、コンテナの水運・鉄道連結輸送能力を210万TEUに、公共サービス型冷蔵倉庫の容量を400万立方メートルに設定した。「規画」の実現のため、貨物輸送ハブ、商業貿易サービス、生産サービス、港湾サービス、総合サービスの5分野78項目に約1,022億元の投資を計画、そのうち2025年までに780億元分の投資を完了するとしている。

また、「規画」では、2つの物流ルート(中部陸海大ルート、航空国際大ルート)の構築や(添付資料表1参照)、新しい物流システム(4つの港、4つの軸、3つの物流クラスター)の形成を目指す方針を示している(添付資料表2参照)。

物流ハブとしての発展を目指す湖北省

近年、湖北省や武漢市政府は物流ハブとしての発展を志向しており、さまざまな施策を展開するとともに、交通インフラの整備にも力を入れている。2017年8月には「武漢天河国際空港第3ターミナル」が開港したほか(2018年11月6日記事参照)、湖北省顎州市では、貨物輸送のハブ空港として機能の発揮が期待されている顎州花湖空港が建設中だ。同市の余珂副市長は5月10日、顎州花湖空港の開港は2022年6月末を予定していると述べた。なお、2025年における顎州花湖空港の貨物・郵便取扱量の目標は245万トンとなっている。

(注1)社会物流総額とは、供給元から受取先に移動した物品価値の総額を指す。

(注2)物流業の付加価値額とは、物流業(交通運輸物流業、倉庫物流業、卸売物流業、配送・加工・包装物流業、郵便)によって生み出された付加価値額を指す。

(楢橋広基)

(中国)

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