シングルエントリービザ申請はオンラインで手続きを

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年05月27日

マレーシアが4月に国境を開放したことに伴い、「新型コロナ禍」でペンディングとしていた駐在手続きを再開する動きが出ている。駐在員としてマレーシアに赴任するには、長期滞在・就労のための雇用パス(EP)が必要だ(詳細はジェトロのウェブサイト、および入国管理局(ESD)外国人サービス部門発行のESDオンライン・ガイドブックPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も参照)。

新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、マレーシアが外国人に対する入国規制を強化した結果、EPの申請・取得手続きにも大幅な混乱が生じていた。とりわけ現在でも照会が多いのが、シングルエントリービザ(SEV)取得に際し、在日マレーシア大使館への予約が取れないという問題だ。SEV取得は本来日本人には不要で、在日大使館としては対応する動機がないことから、予約の取り付けに時間を要し、ビザ取得手続きのボトルネックとなっていた。その後、手続き円滑化の一環として、2022年1月にクアラルンプール国際空港(KLIA)でのEP発給が可能になったことに伴い、日本を含む多くの国からのeVisaポータル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(オンライン)でのSEV取得が義務付けられた(ESDウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。結果として、同月以降は大使館に出向かなくとも、オンラインでSEV取得手続きが完結するようになった。

EP取得の認可が下りた駐在予定者がKLIAでEPの発給を受けるには、まずeVISAポータルでSEV取得の申請を行う。通常2営業日程度で認可が下りる。SEV取得後は、マレーシアにある申請会社(マレーシア側現地法人)が、ESD経由でKLIAでの発給認可書を別途取得する必要がある。この手続きに約1週間を要するため、EP認可取得からマレーシア入国までは、2週間程度見ておいた方がよい。

なお、eVISAポータルには、システム上マレーシアからはアクセスできず、日本在住の駐在予定者の場合は、日本から手続きを行う必要がある。マレーシア法人からは手続きできないことに留意が必要だ。SEV発給手数料の支払いに際しては、一部のクレジットカードが受け付けられないとの報告もあるが、マレーシアで発行されたカードであればスムーズに支払いができるケースが多い。また、取得後のSEVには、発行国(Place of Issue)として「中国、北京(Beijing, China)」と表示されるものの、単なるサーバー上の表示の問題であり、心配せず入国手続きを進められたい。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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