欧州への輸出を目的とする天然ガスの米国内生産拡大を6割が支持、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年05月13日

米国シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは5月12日、ロシアのウクライナ侵攻に起因する天然ガス増産などに関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)を発表した。

それによれば、欧州諸国がロシア産の石油とガスへの依存からの脱却を目指す中、欧州に大量の天然ガスを輸出するために米国が生産を拡大することを61%が「賛成」と回答、「反対」は37%だった。

ロシアのウクライナ侵攻に対応して、ドイツやイタリアを含む欧州諸国は、同地域への最大のエネルギー供給国であるロシアからの石油とガスの輸入を段階的に廃止する計画を発表した。バイデン政権は、EUに対して天然ガスの輸出拡大を約束したが、米国からの天然ガス輸出の大幅増加は、生産スケジュールや既存のパイプラインおよび輸出ターミナルの能力などの課題に直面する可能性があるとしている。

米国が大量の天然ガスを欧州諸国に輸出すべきかどうかに関して、「米国の天然ガス価格への影響」が主要な懸念事項であるとする割合は67%と大多数だった。また、「気候変動への影響」を主要な懸念事項とするのは51%だった。「ロシア経済への影響」が主要な懸念事項とするのは33%にとどまった。

なお、ピュー・リサーチ・センターの別の調査では、ロシアへの厳しい経済制裁を75%が支持するという結果だった(2022年5月13日記事参照)。

代替エネルギー源開発も重視

一方で、「風力や太陽光エネルギーなどの代替エネルギー源の開発」が米国にとって、より重要な優先事項とする割合が67%に達した。支持政党別では、民主党支持者の88%に対し、共和党支持者の41%と大きな開きがある。

民主党支持者の大多数は「太陽光エネルギー」(94%)や「風力エネルギー」(92%)の使用を増やすことを支持しているが、共和党支持者はそれぞれ77%、64%と民主党支持者より支持が低い。共和党支持者の多くは、「オフショア石油およびガス掘削」(76%)、「石油およびガスの水圧破砕」(71%)を支持するが、民主党支持者の支持は、それぞれ27%、25%にとどまった。

また、米国が米国内で使用するエネルギーのほとんどを生産しているという事実を正しく認識している割合は28%だった。

(注)実施時期は、2022年5月2~8日。回答者は、全米の成人1万282人。

(松岡智恵子)

(米国)

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