北京市、滞りない物流に向け全国統一の通行証を使用開始

(中国)

北京発

2022年05月11日

北京市政府は5月3日、「北京市重点物資輸送車両通行証」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの使用開始を発表した。中国政府は新型コロナウイルス感染拡大の中でも滞りない物流を保障するよう、全国統一の重点物資輸送車両通行証制度の整備を含む各種の措置を発表していた(2022年4月13日記事4月21日記事参照)。北京市の通行証も、全国統一の様式が使用される。

通行証は、重点防疫医療物資、生活必需品、戦略的新興産業(注1)のカギとなる物資など、重要な工業生産物資の輸送が適用対象となる。申請条件は以下のとおり。

  1. 申請者は北京市の工業企業であること。北京市経済・情報化局および各区の経済・情報主管部門は申請者が工業企業であるかの確認を行う。
  2. 物資輸送の出発地もしくは目的地が北京市の行政区域内であること。
  3. 車両の出発もしくは到着の24時間前までに届け出ること。
  4. 重点物資の輸送車両の車検が有効期限内であること。危険貨物輸送車両、車両総重量12トン以上の普通貨物車両はGPSが正常に作動すること。
  5. 重点物資輸送車両の運転手の従業資格証明証が有効期限内であり、かつ運転車両の営業範囲に適応していること(車両総重量4.5トン以下の普通貨物車両は除く)。

なお、通行証は1台の車両の1つの輸送ルートごとに必要となる。運転手、同乗者、輸送ルートなどが変更となった場合、既存の通行証の登録を抹消した後、新たに申請する必要がある。

また、各地の検査ポイントを通過する際、運転手、同乗者は検査に協力する必要がある。体温が正常で、48時間以内のPCR検査陰性証明、健康コード(注2)、行程コード(注3)、通行証に問題がなければ、そのまま検査ポイントを通過することができる。

(注1)次世代情報技術、ハイエンド設備製造、新素材、バイオ、新エネルギー自動車、新エネルギー、省エネ・環境保護、デジタルクリエーティブの8分野。

(注2)住宅エリア・オフィスビル、スーパーマーケット、飲食店などを訪問・利用する際にQRコードをスキャンして行動履歴を登録し、新型コロナウイルスに感染しているリスクを「緑」「黄色」「赤」の3色で示すコード。「緑」は異常なし、「黄色」は自宅観察、「赤」は集中観察が必要となる。微信(WeChat)、支付宝(Alipay)のミニプログラム上などで発行される。PCR検査結果やワクチン接種記録も照会可能。

(注3)携帯電話の基地局との通信データを利用し、直近14日間で訪問した都市、国・地域の履歴を管理するコード。専用アプリや微信(WeChat)、支付宝(Alipay)のミニプログラム上などで発行される。現時点では、直近14日間に中国本土、香港、マカオ、台湾に滞在していれば緑色、それ以外に滞在した履歴がある場合は黄色で表示される。表示対象の都市に中・高リスク地域がある場合、都市名の右上にアスタリスクが表示される。

(河野円洋)

(中国)

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