広東省、2021年の専利権・特許権の登録件数は全国首位を維持
(中国)
広州発
2022年05月10日
広東省政府は4月26日、同省における2021年の知的財産権の出願や保護の状況についてまとめた「2021年広東省知識産権保護状況」を発表した。
発表によると、2021年の広東省の専利権(注1)の登録件数は前年比22.9%増の87万2,209件で、全国第1位となった。また2021年末時点での専利権登録累計件数は462万7,100件で中国全体の18.1%を占めた。うち、特許権の登録累計件数は43万9,607件で中国全体の15.9%を占め、全国第1位となった。
2021年の広東省のPCT(特許協力条約) 国際特許出願件数は2万6,079件で中国全体(6万9,500件)の37.5%を占め 、20年連続で全国1位となった。2021年の国別のPCT国際特許出願件数では、中国は3年連続で世界1位だった。2月のWIPO(世界知的所有権機関)の発表によると、PCT出願件数世界上位50社のうち、中国企業は13社を占め、うち広東省企業は9社がランクインした。企業別では、華為技術(ファーウェイ)が6,952件で5年連続で世界1位となったほか、2020年に8位となった広東欧珀移動通信(OPPO)が6位となった。
このほか、広東省内の主要都市でも知的財産権保護の最新状況について発表があった。「深セン市2021年知識産権保護白書」によれば、2021年の深セン市の専利権登録数は前年比25.5%増の27万9,177件で、うち特許の登録件数は4万5,202件と、広東省全体(10万2,900件)の43%を占めた。広州市市場監督管理局によると、広州市の専利権登録数は約19万件で、うち特許の登録件数は前年比60%増の2万4,000件となった。
広東省内の保護強化に加えて、海外に進出する企業の知的財産権対応も支援へ
今般の発表では、5月1日に施行された「広東省知識産権保護条例」(注2)についても説明があった。同条例は、中国政府の「知財強国戦略」に沿う形で「厳格な保護、大きな保護、素早い保護、外資系企業と中国企業の同等な保護」の原則が明記された。また、権利侵害の再犯に対する厳罰化や各レベルでの知的財産権関連部門の職能確認、行政執行機関と司法機関の連携強化などの面において、広東省の知的財産権保護に関する体制を整理・改善している。
このほか、「外資系企業と中国企業の同等な保護」原則では、インバウンドとアウトバウンドの両面での知財保護が強調された。インバウンドの強化とは、知的財産権の保護強化を通じビジネス環境を改善し、より多くの外資系企業の広東省への誘致を目指す。アウトバウンドの支援とは、広東省企業の海外における知的財産権に関する紛争対応能力を高めることを指し、海外に進出する広東省企業に対しても、知的財産権関連の支援強化が打ち出された。
(注1)中国では特許権、実用新案権、意匠権を含む
(注2)『広東省知識産権保護条例』(解読含む)はジェトロ・ウェブサイトに掲載されている。
(謝暁儀)
(中国)
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