米石油ガスのタロス・エナジーとエンリンク、CO2回収・輸送・貯留事業で提携

(米国)

ヒューストン発

2022年02月17日

米国の石油ガス開発会社タロス・エナジー(本社:テキサス州ヒューストン)と石油ガスのパイプライン輸送を担うエンリンク・ミッドストリーム(本社:テキサス州ダラス)は2月15日、ルイジアナ州で商用規模の二酸化炭素(CO2)排出に対応するCO2回収・輸送・貯留事業を展開するための合意書を締結すると発表した。

両社が提供する事業は、米国で最大の集中型CO2排出源の1つであるルイジアナ州ニューオリンズから同州バトンルージュまでのミシシッピ川回廊を対象とし、エンリンクが保有する約4,000マイル(約6,400キロ)に及ぶパイプラインと、タロスが新たに確保した東ルイジアナのCO2回収・貯留(CCS)用地を活用するとしている。

タロスが確保したCCS用地は、約2万6,000エーカー(約105平方キロ)に及び、5億メートルトン以上のCO2貯留能力を有するとされている。ニューオリンズからバトンルージュまでの地域では初の主要なCCSプロジェクトとなり、「リバー・ベンドCCSプロジェクト」と称されている。

タロスは同プロジェクトの管理者・運営者となり、タロスのパートナーである英国のカーボンマネジメント会社ストレッガ・ジオテクノロジーズ(本社:ロンドン)も参画する。タロスとストレッガは2021年6月8日にCCSベンチャーを設立すると発表している(2021年6月10日記事参照)。

タロスはCCSプロジェクトで他社との連携を進めており、2021年8月25日に米国CCS開発会社カーボンバート(本社:デラウェア州ドーバー)と連携し、テキサス州東部のCCSプロジェクト用地のリース権を落札したと発表(2021年8月27日記事参照)。同年10月18日には英国エンジニアリング大手テクニップFMC(本社:ニューキャッスル)と、メキシコ湾岸部でのCCSプロジェクトの技術的・商用的なソリューションを策定・提供するための長期的な戦略的提携を締結すると発表(2021年10月21日記事参照)。また、同年11月15日には米国のフリーポートLNGデベロップメント(本社:テキサス州ヒューストン)と、メキシコ湾近郊のフリーポートLNG施設でのCCSプロジェクトを展開する合意書を締結すると発表している(2021年11月17日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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