米アマゾン、アパレル分野で初の実店舗「アマゾン・スタイル」の営業開始
(米国)
ロサンゼルス発
2022年05月27日
米国の電子商取引最大手アマゾン(本社:ワシントン州シアトル)は5月25日、カリフォルニア州ロサンゼルス郡でアパレル分野では初の実店舗となる「アマゾン・スタイル(Amazon Style)」の営業
を開始した。当該店舗の出店については、2022年1月に計画が発表されていた(2022年1月24日記事参照)。このたび、5月26日に実店舗を視察してみた。
新店舗は、グレンデール市のアメリカーナというショッピングモールの一角に位置しており、周囲にはH&Mやアップル、ナイキなどが並ぶ。店内には、2022年1月の発表のとおり、衣類や靴、アクセサリーなどが展示され、雰囲気は通常のアパレル店舗と変わらないが、店頭での陳列が1着につき1点で、サイズ違いの商品がないため、整然としている印象を受けた。商品の品ぞろえはカジュアルウエアが中心だ(2022年2月28日付地域・分析レポート参照)。
店舗の外観と店内の様子(ジェトロ撮影)
店舗の最大の特徴は、アマゾンのアプリで陳列した商品のQRコードを読み取り、試着室に送ることができる点だ。実際に試したところ、アプリ上でサイズや色を指定して簡単に試着室に送ることができ、10分程度で商品が待つ試着室の案内が通知された。
ハンガーのQRコードを読み取り、アプリ上の「Try on」を押すと試着室に送られる(ジェトロ撮影)
試着室は40室用意されている。指定の試着室に入ると、すでに商品が届けられている。壁のタッチパネルを操作して、追加の商品やサイズや色違いの商品を届けてもらうこともできる。その場合は、タッチパネル画面に新たな商品が届けられた旨の通知が表示され、試着室の中にある出入口とは別の扉を開けると、実際に商品が届けられる。試着が終わり、不要な商品を試着室に残し、購入商品をレジに持っていけば、買い物は完了だ。
試着室の様子、追加した商品は左の扉から届けられる(ジェトロ撮影)
アマゾンは、書籍を扱う「アマゾン・ブック」のほか、「アマゾン・4スター」や「アマゾン・ポップアップ」の実店舗を閉鎖する、と2022年1月に報じられている(ロイター3月2日)。今回の「アマゾン・スタイル」の実店舗は、現時点では実験的な要素が強いとみられるが、こうしたテクノロジーを活用した実店舗が消費者に受け入れられるか、今後の展開に注目だ。
(永田光)
(米国)




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