経済界、シャリフ新首相に大きな期待

(パキスタン)

カラチ発

2022年04月14日

パキスタンで新首相に就任したシャバズ・シャリフ氏に対する経済界の期待が高まっている(2022年4月13日記事参照)。

イムラン・カーン前首相が4月10日の議会下院の不信任決議採択で失職し、シャリフ氏の新首相選出が確実な情勢となった週明け11日、株価の指標となるパキスタン証券取引所(PSX)のKSE-100は取引開始直後から買いが集中、1,700ポイント高と2017年6月5日以来の上げ幅となった。終値は4万6,144ポイントで始値比3.8%の大幅な上昇だった。

パキスタン中央銀行(SBP)は4月7日、インフレ抑制のために政策金利を一気に250ベーシスポイント(1ベーシスは100分の1%)引き上げ12.25%とした。経常赤字や政治の不透明感を背景に8日に1ドル=188ルピーと史上最安値に下落した通貨ルピーも、11日に182ルピーにまで戻した。これも株高への好材料となった。

産業界も歓迎している。ラホールやカラチの商工会議所などの経済団体が新首相への祝福と期待の声を上げており、ラホール商工会議所のミアン・ナウマン・カビール会頭は「シャリフ氏の当選(新首相選出)はパキスタンのビジネス界を勇気づけるものだ」と述べた(「ザ・ニュース」紙4月12日)。

シャリフ氏とともにドイツに出張した経験を持つパキスタン日本ビジネス・フォーラム(PJBF)のカリム・ファルーキ会長は首相の人物像について、ジェトロの取材に「彼は熱心かつ献身的に働く人物。パンジャブ州の交通インフラ開発は彼が州首相時に成し遂げた大きな業績の1つだ。彼の父は製鉄で財を成した。彼が製糖、不動産、農業などを行う実業一家の出身であることも、産業界にとってはよいサインとなっている。シャリフ家はサウジアラビアと近い関係にあるので、今後パキスタンはサウジからの経済的支援を期待できるのではないか。ドイツに行った時、彼は流ちょうなドイツ語を話した」と語った。

政治手腕が期待されるシャリフ氏だが、「エクスプレス・トリビューン」紙(4月11日)などによると、同氏と息子は現在250億ルピー(約173億円、1ルピー=約0.69円)に上るマネーロンダリング容疑で連邦捜査局(FIA)による捜査を受けている。その行方次第では、政界に波乱が起きる懸念も残されている。

(山口和紀)

(パキスタン)

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