バイデン米政権、ロシアのダイヤ採掘と造船大手2社に制裁

(米国、ロシア、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年04月11日

米国のバイデン政権は4月7日、ダイヤモンド採掘で世界最大手のアルロサと、軍艦などの造船を手掛けるユナイテッド・シップビルディング・コーポレーション(USC)を「特別指定国民(SDN)」に指定した。いずれもロシアの国有企業だ。

財務省のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、アルロサは、世界のダイヤモンド採掘の28%を占めており、2021年には42億ドルの利益を上げていた。同社は2022年2月24日に、米国人による(注1)新規の債券・株式取引の禁止対象に指定されていたが(2022年2月25日記事参照)、今般、ロシア政府との関係を理由に制裁措置が拡大されたことになる。

USCは、ロシア海軍のほぼ全ての軍艦の造船を担っているとされる。同社の子会社28社と役員8人もSDNに指定された。SDNに指定された対象には、在米資産の凍結および米国人との資金・物品・サービスの取引禁止が科される。また、SDNが直接または間接的に50%以上を所有する事業体も当該制裁の対象となる。今回指定されたSDNの詳細は財務省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる(注2)。

国連、ロシアの人権理事会資格を停止

米国ニューヨークに本部のある国連は4月7日、国連総会の緊急特別会合を開催し、人権理事会におけるロシアの理事国資格を停止する決議を採択外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。193カ国中、賛成93、反対24となり、全体の3分の2を超える賛成を得て承認された。一方、58カ国が棄権した。国連人権理事会は、ジュネーブに本拠があり47カ国で構成される。ロシアは2021年1月に、3年の任期で参加した。ロシアは今回の採択を受けて、同理事会からの退会を表明した。

国連のプレスリリースは、主要国の発言を紹介している。反対に回った中国は、今回の動きを拙速で「火に油を注ぐもの」とし、「人権理事会の参加資格をこのように扱うことは危険な前例となり、人権分野での対立をさらに深め、国連の統治システムに多大な影響を与え、深刻な結果を招く」と批判した。一方、賛成に回った米国は「国際社会は正しい方向への集団的な一歩を踏み出した。われわれは、執拗で非道な人権侵害者が国連の場で人権に関わるリーダーの地位を占めることは許されないということを明確にした」としている。

なお、2022年2月以降にバイデン政権が発動した対ロシア・ベラルーシ関連の制裁については、添付資料を参照。

(注1)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権がおよぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注2)ウクライナ情勢に関する財務省の制裁の全容は、同省の「ウクライナ/ロシア関連制裁」のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。制裁対象に指定された個人・企業などについては、同省外国資産管理局(OFAC)のデータベース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでCountry欄のRussiaを選択し、Searchをクリックすることで確認可能。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ウクライナ)

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