中国の二酸化炭素排出のピークアウトは2027年前後との研究も
(中国)
上海発
2022年04月08日
中国工程院、上海市政府、工業信息化部が主催の「第6回イノベーションと新興産業発展国際会議」が3月31日に開催された。会議で、中国工程院は「わが国のカーボンピークアウト、カーボンニュートラル戦略とロードマップ」を発表した。それによると、中国の二酸化炭素(CO2)排出は2027年ごろにピークに達する見込みで、ピーク時の排出量は122億トン前後に抑えられるとしている(「央視網」3月31日)。
工程院の発表の概要は以下のとおり。
- クリーンで低炭素かつ安全で効率的なエネルギーシステムを構築することが、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルを実現する鍵となり、基礎となる。
- 化石エネルギーと新エネルギーの融合的発展の推進を加速させ、炭素排出強度の持続的な低下を推進する。国際的な不確定要素と新型コロナウイルスの影響を考慮して、化石エネルギーは段階的にピークアウトしていく。例えば、石炭、石油、天然ガスの使用量はそれぞれ2025年、2030年、2035年前後にピークに達する。非化石エネルギーの割合は2035年に32%、2050年には64%、2060年には80%以上に達する。
- 2060年にはスマートエネルギーシステムとエネルギー貯蔵システムを全面的に構築する。
工程院の発表で提示された、戦略・ロードマップ実現に向けた8つの戦略、7つの道のり、3つの提案の詳細は添付資料表参照。
中国では、電力や鉄鋼、環境関連の業界団体、研究機関が共同で、中国の重点産業の炭素排出ピークアウトに向けた研究結果を発表するなど、産業界や学術界のカーボンピークアウトやカーボンニュートラルに向けた具体的な取り組みが活発化している(2022年3月5日記事参照)。
(高橋大輔)
(中国)
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