エチオピア、外貨準備高が輸入1.3カ月分に落ち込む

(エチオピア)

アディスアベバ発

2022年04月04日

エチオピアの外貨準備高が16億ドルまで落ち込み、2021年12月末時点では、輸入のわずか1.3カ月分にすぎないと当地英字紙が伝えている(「リポーター」紙3月26日)。これまでも慢性的な外貨不足がビジネスを進める阻害要因となってきたが、取引相手を選ぶに当たっては、これまで以上に慎重を要する。

報道では、中央銀行が人民代表議会(下院)に半期報告をした中で説明された数字と紹介した。2021年6月末時点でも輸入2.2カ月分しかなかったが、その後、同年9月末時点では1.7カ月分となり、12月末の1.3カ月分まで、減少の一途をたどっているという。国内の外貨準備高の水準を反映するように、当地銀行最大手のエチオピア商業銀行では、2021年7月以降、輸入信用状の開設が限定的となっている。地元紙に答えた担当副頭取は「銀行としても手元の外貨が十分な水準になるまで輸入信用状の開設を増やすような方針転換はない」という趣旨の発言をしている。

当地の外貨水準は、常にビジネス関係者の関心の的だが、報告書などの情報開示に時間がかかることが多く、適時に「今の水準」を知ることは難しい。しかし、中銀の外貨管理令が変更されるたびに、その内容を検討すれば、ある程度の状況を推しはかることはできる。ジェトロでは、これまでも外貨の優先配分先と取り扱い方法(2022年1月27日記事参照)、輸出などで国内に入ってくる外貨の持ち分比率(2022年1月31日記事参照)などにかかる制度変更を紹介してきている。エチオピアとのビジネスの要諦は、まず外貨の水準を気にかけることにある。

(関隆夫)

(エチオピア)

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