韓国銀行、政策金利を1.5%に引き上げ

(韓国)

中国北アジア課

2022年04月15日

韓国銀行(中央銀行)は4月14日、金融通貨委員会を開催し、基準金利(政策金利)を現行の1.25%から1.5%に引き上げると発表した。1月に0.25ポイントの利上げを実施してから3カ月ぶりの引き上げとなる(2022年1月20日記事参照)。

今回の金融通貨委員会は、韓国銀行総裁が不在の中で金利の引き上げが決定された。議長職務の代行を行ったチュ・サンヨン委員は、金利の引き上げに踏み切った理由として、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、当初の予測よりもインフレ圧力が高まったためと説明した。

石油類の大幅な価格上昇、工業製品および個人サービスの価格の上昇傾向が強まり、2022年3月の消費者物価上昇率は前年同月比4.1%と大きく上昇した(2022年4月8日記事参照)。今後の物価について、同行は、消費者物価上昇率は当分の間4%台を維持するとし、年間の上昇率は2月時点の展望(3.1%)を大きく上回る見通しと明らかにした。

国内経済は、輸出の好調や民間消費の回復などを受け、回復基調が続くとしたものの、原材料価格の上昇などを受け、設備投資や建設投資が減少するとし、2022年通年のGDP成長率は2月時点の予測(3.0%)から、やや下方修正される見通しとした。

チュ委員は、今後の金利政策について「現在予想される物価と景気の流れ、金融の不均衡の状況などを総合的に考慮すると、これからも通貨政策を適切に調整していくことが望ましい」とした。ただし、追加調整の時期については、ロシアによるウクライナ侵攻、主要国の通貨政策、韓国国内の防疫措置など不確実性が大きい分、それらによるリスクを総合的に考慮して決定するとした。

(向野文乃)

(韓国)

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