韓国銀行、利上げを発表、1.25%に

(韓国)

ソウル発

2022年01月20日

韓国銀行(中央銀行)は1月14日、金融通貨委員会を開き、基準金利(政策金利)を0.25ポイント引き上げ、1.25%とすると発表した(2021年11月29日記事参照)。韓国銀行は基準金利引き上げに関し、経済状況や物価、金融政策について、次のように説明した。

1.経済状況

世界経済は、新型コロナウイルスの新たな変異株拡大にもかかわらず、ワクチン接種拡大などにより経済活動の大きな縮小を回避し、回復基調が持続した。国際金融市場では、新型コロナウイルス感染状況や主要国の通貨政策に対する期待の変化により、主要国の国債利回りと株価が下落した後、反動の動きがある。世界経済と国際金融市場は今後、新型コロナウイルス感染状況やワクチンの普及状況、世界的なインフレの動向、主要国の通貨政策の変動に影響を受けるものとみられる。他方、国内経済をみると、輸出は堅調に増加し、民間消費の回復の流れも続くとみられる。2022年のGDP成長率は前年11月の見通しのとおり、3%水準になると予想される。

2.物価上昇率

消費者物価上昇率は、石油類や農畜水産物価格の上昇基調、石油類を除いた工業製品や個人サービス価格の上昇幅の拡大などで、3%台後半の水準で推移している。コアインフレ率は2%台前半の水準となった。今後の消費者物価上昇率は2021年11月の見通し値を上回り、かなりの期間は3%台で推移することが予想され、年間ベースでも2%台後半になるとみられる。コアインフレ率も2%台を大幅に上回ることが予想される。

3.金融政策

金融通貨委員会は今後、経済の回復基調を維持するとともに、中期的観点で物価上昇率が目標水準に落ち着くようにする一方、金融の安定に留意しつつ金融政策の運用に取り組む。新型コロナウイルス感染状況の不確実性が存在するものの、国内経済の成長基調は持続する一方で、物価が目標水準を上回ることが予想されることから、今後、金融緩和の度合いを適切に管理する。追加的な調整の時期については、新型コロナウイルス感染の状況や成長・物価の流れの変化、金融不均衡の累積リスク、政策金利引き上げの波及効果、海外主要国の金融政策の変化などを点検して判断する方針。

(当間正明)

(韓国)

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