瀋陽市、4月17日まで防疫措置を一部解除、PCR検査の常態化も発表

(中国)

大連発

2022年04月14日

中国遼寧省の瀋陽市疫病予防コントロールセンターは4月12日、「瀋陽市新型コロナウイルス予防対策司令部通知(48号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、翌13日から17日まで防疫措置を一部解除するとした。18日以降の措置はまだ決まっていない。

なお、瀋陽市は3月30日、同月24日から実施していた一時的な生産活動の停止と在宅勤務の継続を発表していた(2022年4月11日記事参照)。

通知の主な内容は以下のとおり。

(1)段階的に生産活動と生活秩序を回復

瀋陽市全域の政府機関、企業・事業単位、生産企業などは段階的に業務・生産活動を正常化する。バス、地下鉄などの公共交通機関の運行も段階的に再開する。

(2)防疫管理を継続的に強化

  1. 「瀋陽市防疫封控区リスト」「瀋陽市防疫管控区リスト」(注1)に記載された「封控区」「管控区」は引き続き一連の防疫措置を厳格に実施する。蘇家屯区での防疫管理措置は同区疾病予防コントロールセンターが感染状況に基づき別途定める。
  2. 市内全域で市民が必要な時にPCR検査を受けることができるよう、検査ポイントを設置する。各機関・企業が自主的に常態的にPCR検査を実施することを推奨する。
  3. 社区(注2)・小区(マンション群、団地単位)や城中村(注3)、個別ビルなどでの管理を徹底し、検温、コードチェック、マスク着用などの防疫措置を徹底する。出入りの際は48時間以内のPCR陰性証明書を確認する。
  4. 人が密集する活動の管理を継続する。大規模イベント、展示会、宴会など多人数が参加する活動を禁止する。ジム、体育館、大浴場、美容院、カラオケ店、映画館など生活に不可欠ではない密閉的な施設は引き続き営業停止。小中学校はオンライン授業を継続し、幼稚園、託児所なども引き続き停止。飲食店は店内での飲食提供を禁止し、配達サービスのみを行う。
  5. スーパーや市場(生活必需品)、屋外の観光地などでは、検温、コードチェック、マスク着用を徹底し、1メートル以上の距離を保ち、48時間以内PCR陰性証明書の確認などの措置を行う条件で、50%以下の入場制限で開業を許可する。再開する全ての公共施設、事業所、公共交通機関などは上述した防疫措置を徹底する。なお、該当する施設などの経営者・管理者、ゴミ収集・清掃、保安警備などに従事する者は、2日ごとにPCR検査を実施する。
  6. 個人の健康管理を引き続き徹底する。市民は防疫措置を順守し、PCR検査や予防対策を維持する。市民は不要不急の外出を避け、発熱などの症状があればすぐに医療機関を受診する。

(3)企業は安全で段階的な生産活動を確保する

  1. 防疫措置を順守し、その徹底を条件に、企業や建設プロジェクトの操業再開を推進する。産業供給チェーン企業については、企業ごとに対策を考えて防疫措置を実行する。産業供給チェーンの安全安定を確保する。
  2. 企業、プロジェクト建設事業者は責任をもって厳格に各種防疫措置を実行し、食堂での食事は停止し、定期消毒、全従業員の2日ごとのPCR検査を実施する。

なお、同じ4月12日には以下2つの通告も発表されており、「市内におけるPCR検査の常態化に関する通告(49号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、市民に対して外出時に48時間以内のPCR陰性証明の所持を義務化した。公共交通機関の部分的運行についても「都市公共交通機関の一部路線における運行再開に関する通告(50号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で詳細を公表した。いずれも4月13~17日の実施を予定している。

(注1)「瀋陽市防疫封控区リスト」「瀋陽市防疫管控区リスト」は「瀋陽市新型コロナウイルス予防対策司令部通知(48号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」内の文末よりエクセル資料をそれぞれダウンロードできる。「序号(番号)」「所在地区(所在地区)」「所在街道(所在街道)」「所在小区(所在小区)」「劃定範囲(対象範囲)」「預計解除時間(予定解除時間)」が表記されている。

(注2)中国民政部は「一定地域の範囲内に住む人々によって構成される社会生活の共同体」と定義。都市部の最も基礎的な行政区画単位。

(注3)城中村とは「高層ビルに囲まれた都市の中の村落」を指す。

(山口はるか)

(中国)

ビジネス短信 9f06e825506537cd