瀋陽市の防疫措置は継続、全面復旧にはなお時間を要する

(中国)

大連発

2022年04月11日

中国遼寧省の省都である瀋陽市では、3月24~30日に市内全域の事業所が、一時的な生産活動の停止と在宅勤務を求められていた(2022年3月24日記事参照)。期限の30日には新たな通達「第39号通知」が出されたが、同市内の生産現場の全面復旧にはなお時間を要するとみられる。

瀋陽市疾病予防コントロールセンターが3月30日に発表した「第39号通知」によると、3月31日から市内全域の生産企業に「封鎖的な管理」を前提として、生産活動の再開を認めた。つまり、生産現場では従業員が会社にとどまることを前提とし、敷地内に社員寮などの生活できる環境が必要ということになる。他方、市内の居住区には、リスク度合いによって(1)防范区、(2)管控区、(3)封控区という3つの区分(注)があるが、(2)および(3)のエリアに居住する従業員は区外へ出られないため、これらの地域からの出勤が事実上不可能となる。市内の多くの進出日系企業は、これらの点がネックになっている模様で、実質的な生産活動の再開には至っていない(4月8日午後2時時点)。

なお、上記の生産停止期間も、市民生活に必要なスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどは営業が保障されるはずだったが、実際の運用は市内各区の防疫担当部門の判断に委ねられ、地域によっては閉店を迫られるケースもあるようだ(4月8日午後2時時点)。

4月7日時点で、同市の新規感染者は1人、無症状感染者19人と落ち着いてきている。防疫担当部門は引き続き徹底した管理を行っており、生産活動の制限解除が待たれている。

(注)「封控区」「管控区」「防范区」は次のとおり。

  • 「封控区」:封鎖管理期間に小区(マンション群、団地単位)レベルで感染者が報告された地区。
  • 「管控区」:「封控区」となった小区を有する街道や鎮(区の下の行政レベル)。
  • 「防范区」:「封控区」「管控区」以外の地区。

(重岡純)

(中国)

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