コンゴ民主共和国、東アフリカ共同体に加盟、加盟国総人口は2億6,700万人に

(コンゴ民主共和国、ケニア)

ナイロビ発

2022年04月01日

3月29日に開催された第19回東アフリカ共同体(EAC)臨時オンライン首脳会議で、コンゴ民主共和国(DRC)のEAC加盟が正式に認められた。EACは2月、DRCの加盟に備えて、フランス語を公用語(英語、スワヒリ語)に追加していた。同国が加盟したことで、EACはケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、ブルンジ、南スーダン、DRCによる7カ国の共同体となる。EACの総人口はこれまでの約1億7,700万人から、一気に約2億6,700万人に膨れ上がる。

EACは関税同盟で、原産地が域内と認められた品目について域内関税を撤廃している。また、加盟国は域外諸国からの輸入品に対して、共通の関税率を課している点が特徴的だ。一部の国では往来も自由化されている。例えば、ケニア、ウガンダ、ルワンダの市民または居住者は、国境を越える際に「インターステートパス」が与えられ、ビザを取得する必要がない。内陸国への陸路開発も進んでいる。主要幹線道路には、ケニアのモンバサ港から首都ナイロビを通り、ウガンダ、ルワンダを経由してDRCに到達する北部回廊と、タンザニアのダルエスサラーム港からブルンジを経由して、ルワンダとDRCに到達する南部回廊がある。ケニアには、ナイロビを東アフリカの拠点とし、これらの仕組みを利用することで域内にビジネスを拡大しようとする企業も少なくない。これらの企業は、約9,000万人の人口を有するDRCが加盟することで、販路拡大に期待を膨らませている。DRCはケニアを除くEAC加盟5カ国と国境を接しており、大西洋の出口に接続するなど、地理的優位性をもたらす。EACのピーター・マトゥキ事務局長は「地域の競争力を高め、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)へのアクセスを容易にする」と述べた。

一方、DRCが関税や入管上の恩恵を受けるには、一定の時間を要しそうだ。既存の関税制度との整合性や、水際の管理能力が課題となる可能性が高い。南スーダンが加盟した2016年には、完全な加盟国となるまで4カ月かかったとされている。また、関税が撤廃された後も、輸入時の手続きや検査の複雑さといった非関税障壁には課題が残ると考えられる。例えば、ケニアとタンザニアでは、いまだに非関税障壁の高さが指摘されており、2021年には両国大統領主導の下、非関税障壁撤廃に向けた合同会議が開催された(2021年8月27日記事参照)。

DRCでは、1990年代初めから東部地域を中心に、民族対立や天然資源をめぐる武装勢力の対立により不安定な情勢が続く。同国は長期的な平和と安全を確保するため、EAC加盟国との間で、経済や貿易だけでなく、安全保障でも連携を強化したい狙いがある。なお、DRCは既に東南部アフリカ市場共同体(COMESA)、南部アフリカ開発共同体(SADC)、五大湖諸国経済共同体(CEPGL)という3つの地域経済統合組織に加盟している。

(久保唯香、渡辺久美子)

(コンゴ民主共和国、ケニア)

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