アフリカ連合が地域統合レポートを発表

(アフリカ)

中東アフリカ課

2022年04月12日

アフリカ連合(AU)は3月17日、「アフリカ統合レポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。2020年から2年ぶりの発行となった(2020年5月27日記事参照)。本レポートは、アフリカ域内における8項目(人の移動、社会、貿易、インフラ、通貨、環境、金融、政治・制度)における統合の度合いを指数にまとめたもので、指数の最大値を1とする。なお、前回と比較すると生産、マクロ経済の項目がなくなり、社会、金融、通貨、環境、政治・制度が新たに加わった。

同レポートによると、アフリカ大陸の統合指数は「0.62」だ。アフリカ各地域経済共同体(RECs)では、東アフリカ共同体(EAC)が「0.75」、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)「0.74」、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)「0.68」、南部アフリカ開発共同体(SADC)「0.61」という結果になった。

各RECsを詳細にみると、EACでは、「人の移動(0.96)」「貿易(0.85)」「インフラ(0.70)」の項目で高かったが、「環境(0.58)」でやや下回った(添付資料図参照)。同レポートは、「自由な人の移動」はEAC共通市場にかかる議定書に即していると評価したものの、一部の国では移動の際にパスポートが必要なことを指摘した。ECOWASでは、「人の移動(1.00)」「政治・制度(0.93)」「社会(0.79)」が大きく、全体を牽引した。加盟国間における人の移動が自由化されていることや、対外共通関税が設定されていること、ガバナンス・平和・安全保障における制度があることが評価された。一方、「インフラ(0.53)」「通貨(0.56)」「金融(0.60)」の項目でほかの地域を下回った。COMESAは、「政治・制度(0.73)」「貿易(0.79)」「金融(0.73)」の項目で高かったが、「社会(0.60)」「通貨(0.60)」「環境(0.62)」で平均を下回った。SADCは、「金融(0.81)」において、他のRECsより優位にあった。しかし、「政治・制度(0.46)」「人の移動(0.58)」「社会(0.59)」の項目が全体のスコアを引き下げた。

(小林淳平)

(アフリカ)

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