米税関、日本の一部鉄鋼製品に対する関税割り当て導入を4月1日に開始

(米国、日本)

ニューヨーク発

2022年04月04日

米国税関国境保護局(CBP)は3月31日、日本からの鉄鋼製品54品目に関して一定量の輸入まで、1962年通商拡大法に基づいて課している25%の追加関税(232条関税)の適用を除外する関税割り当て(TRQ)の導入を4月1日から開始すると発表した。

TRQは商務省が2月に発表していたもので、日本からの鉄鋼製品54品目の輸入について、年間合計で125万トンまで232条関税の適用を除外する措置となる(2022年2月9日記事参照)。発表当時には品目ごとのTRQ枠は明かされていなかったが、今回発表されたガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでそれらがわかった。また、TRQは四半期ごとの枠を設定しており、今回発表されたのは4月1日~6月30日までの上限枠となる(4月から1年間の上限枠も併記)。例えば、TRQ識別IDの9903.81.25で示された熱延コイル・鋼板は、年間上限枠が1億9,999万348キログラム(約19万9,990トン)、4~6月の上限枠が4,999万7,587キログラム(約4万9,998トン)となっている。また、ガイダンスによると、TRQのカウントは「先着順」となる(注)。

四半期ごとのTRQ上限枠を超えた輸入分は、232条関税の対象となる。一方で、232条関税の適用除外制度の中で認めている「一括承認除外(General Approved Exclusions、GAEs)」の対象品目については、引き続き232条関税が適用除外となる。これは、232条関税の適用を除外することに対して、米国鉄鋼メーカーなどから反対意見がなかった品目をリスト化したもので、輸入者からの個別の申請なく無期限で232条関税の適用除外が認められるルールとなる。2020年12月に導入して以降、2021年12月に一部対象品目を削除しており、現在は鉄鋼で82品目、アルミニウムで11品目の合計93品目が対象となっている(2021年12月9日記事参照)。

なお、ジョー・バイデン大統領は3月31日に今回のTRQ導入を指示する大統領布告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表している。

(注)TRQの利用状況は、CBPのコモディティー・ステータス・リポートのポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにある、週間報告(Weekly Commodity Status Reports)に掲載のデータで確認ができる。

(磯部真一)

(米国、日本)

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