欧州中銀、過去最高のインフレ率でも金融緩和政策を維持

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2022年04月20日

欧州中央銀行(ECB)は4月14日、ドイツ・フランクフルトで開催した政策理事会後の記者会見で、金融緩和政策の縮小を継続する方針を示した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。ユーロシステムによる債券・国債の購入プログラム(APP:asset purchase programme)の購入規模について、前回(2022年3月11日記事参照)と同様、4月に400億ユーロ、5月に300億ユーロ、6月に200億ユーロとした。なお、今回の会合では、APPを第3四半期(7~9月)に終了する見通しが強まっており、購入規模は次回の経済予測に基づいて決定する予定とした。APPの下で購入し保有する債券・国債の再投資については、主要政策金利の引き上げ開始以降も必要な限り続ける方針をあらためて示した。

また、これまでと同様、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)を0.00%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)を0.25%、預金ファシリティー金利をマイナス0.50%にそれぞれ据え置いた。一方で、「政策金利はAPPの終了後しばらくして徐々に引き上げる」という方針を示した。ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で、6月9日に開催予定の次回理事会で発表されるユーロ圏に関するECBスタッフマクロ経済予測に基づき、APPの具体的な終了時期および今後の政策金利の引き上げについて決定すると述べた。

さらに、3月末に終了した新型コロナウイルス緊急対策として打ち出した、資産購入プログラム「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を通じて購入し保有する債券・国債の償還後の再投資期間については、少なくとも2024年末までとする方針も維持した。

なお、ラガルド総裁は、2022年3月のインフレ率は前月の5.9%から7.5%に上昇し、特にロシアのウクライナ侵攻のため、エネルギー価格が前年同月比で45%上昇となり、短期的に高止まりするものの、中期的に低下する見込みだとした。また、新型コロナウイルスのパンデミックに関するリスクは減少したが、ウクライナ侵攻による経済成長見通しの下振れリスクが大幅に増加し、供給面の制約をさらに悪化させる可能性があると指摘した。さらに、ウクライナ侵攻が経済に与える影響は、今後の進展や現行の制裁の効果、さらなる対策に大きく左右されると強調した。また、理事会は、今後入ってくるデータを注意深く監視し、政策をデータに基づいて調整し、正当な場合、柔軟性をもって権限の範囲内で調整する用意があると強調した。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

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