ECB、金融緩和政策を維持、2022年第3四半期に資産購入終了の可能性を発表

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2022年03月11日

欧州中央銀行(ECB)は3月10日、ドイツ・フランクフルトで開催した政策理事会後の記者会見で、金融政策の方針を示した(ECBプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ユーロシステムによる債券・国債の購入プログラム(APP:asset purchase programme)は、記者会見と同日に発表されたECBスタッフマクロ経済予測と、ロシアのウクライナ侵攻による不確実な状況を考慮して方針を見直した。

購入規模について、前回2月時点の政策理事会では、4~6月は毎月400億ユーロとしていたが(2022年2月7日記事参照)、4月に400億ユーロ、5月に300億ユーロ、6月に200億ユーロとし、第3四半期(7~9月)の購入規模は次回の経済予測に基づいて決定する予定とした。資産購入の終了後も中期的なインフレ率が低下しないと予想される場合、第3四半期にAPPを終了する。インフレ率見通しが変わり、ECBのインフレ目標2%への達成と矛盾する場合は購入規模や購入期間を再検討する。APPの下で購入し保有する債券・国債の再投資については、主要政策金利の引き上げ開始以降も必要な限り続ける方針をあらためて示した。

また、これまでと同様、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)を0.00%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)を0.25%、預金ファシリティー金利をマイナス0.50%にそれぞれ据え置いた。一方で、「政策金利はAPPの終了後しばらくして徐々に引き上げる」という方針を示した。

新型コロナウイルス緊急対策として打ち出した資産購入プログラム「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」については、前回の方針を維持した。2022年3月末で終了し、PEPPを通じて購入し保有する債券・国債の償還後の再投資期間は、少なくとも2024年末までとする。

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で、「ロシアのウクライナ侵攻はエネルギー価格や商品価格の上昇、国際取引の混乱や信頼低下により、経済活動やインフレに重大な影響を与える」と述べた。政策金利の調整時期については具体的な明言はなかった。

ユーロ圏の経済成長予測を下方修正

記者会見に合わせて発表したユーロ圏に関するECBスタッフマクロ経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、2022年の実質GDP成長率を前回(2021年12月)予測値の4.2%から3.7%に下方修正した(添付資料表参照)。2023年については2.9%から2.8%にわずかに下方修正し、2024年は1.6%との予測を維持した。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

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