大統領選で経営者団体はマクロン氏を支持、ルペン氏を警戒

(フランス)

パリ発

2022年04月14日

4月10日に行われたフランス大統領選の第1回投票の結果(2022年4月12日記事参照)を受け、最大経営者団体フランス企業運動(MEDEF)は翌11日、決選投票(4月24日)に向けてマクロン氏を支持する声明文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同氏の選挙公約をフランス経済の成長と雇用につながると評価する一方、ルペン氏の選挙公約についてはEU内での孤立を招き、不安から投資と雇用を妨げるだけでなく、財源が明らかでない財政支出の拡大により、フランスを窮地に追い込む危険があると警戒した。

ルペン氏の選挙公約(公表資料外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)には、移民の受け入れ削減と脱税・不正受給の摘発強化によって捻出される資金(前者160億ユーロ、後者150億ユーロ)を主な財源に、ガソリン、ガス、電力などのエネルギーに係る付加価値税の軽減や100億ユーロの企業減税などが盛り込まれている。

ルペン氏は物価高騰を背景に国民の関心が高い家計支援を優先政策ととらえ、エネルギー製品に係る付加価値税の20%から5.5%への引き下げとともに、高速道路の国営化による高速料金の15%引き下げ、公共放送の民営化を通じた受信料廃止のほか、法定最低賃金の3倍を上限に給与を10%引き上げる企業に対し、賃金上昇分に係る社会保険料を免除する賃上げ促進措置の導入を盛り込んだ。

公約のもう1つの柱となる移民政策については、国民投票による憲法改正を通じて、移民・難民の受け入れに厳しい制限を課すと同時に、社会保護(protection sociale)制度の適用を原則としてフランス人に限定し、雇用や公営住宅への入居などもフランス人を優先する政策の実施を公約した。

ウクライナ情勢をめぐっては4月8日、EUによる対ロシア制裁路線を支持する姿勢を示しつつ、ロシア産エネルギー輸入の禁止措置については、国内のエネルギー価格を「4倍、5倍、6倍にも引き上げる」と批判し、同措置の導入に反対する意思を明示した。

ルペン氏はフランスのEU脱退を「政策目標ではない」と否定しているが、防衛政策に関わる公約では、NATOの軍事部門を早ければ2022年にも脱退し(注)、米国との新たな戦略関係の構築に向けて協議を開始する一方、ロシアとは欧州安全保障やテロ対策など特定の課題について同盟を再構築することを明記している。

なお、マクロン、ルペン両候補によるテレビ討論は4月20日に予定されており、今回の大統領選挙では初の「直接対決」となる。

(注)フランスは1966年~2009年、NATO軍事部門を脱退していた。

(山崎あき)

(フランス)

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