フランス大統領選、マクロン氏とルペン氏が決選投票へ

(フランス)

パリ発

2022年04月12日

フランス大統領選挙の第1回投票が4月10日に行われ、再選を目指す現職のエマニュエル・マクロン大統領が27.84%を得票し、2位で23.15%を得票した急進右派・国民連合のマリーヌ・ルペン候補とともに、4月24日に行われる決選投票に駒を進めた(注)。3位の急進左派・不服従のフランスのジャン=リュック・メランション候補は「極右打倒」を掲げて左派支持者から票を集めたが、得票率は21.95%とルペン氏にあと一歩及ばなかった。

【第1回投票の結果(内務省発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)】(7位以下省略)

  • 1位エマニュエル・マクロン候補(共和国前進、中道、現職):27.84%
  • 2位マリーヌ・ルペン候補(国民連合、急進右派:23.15%
  • 3位ジャン=リュック・メランション候補(不服従のフランス、急進左派):21.95%
  • 4位エリック・ゼムール候補(レコンキスタ、急進右派):7.07%
  • 5位バレリー・ぺクレス候補(共和党、右派):4.78%
  • 6位ヤニック・ジャド候補(ヨーロッパ・エコロジー・緑の党、左派):4.63%

マクロン氏とルペン氏の決選投票は、前回の大統領選に続き2度目となる。前回はマクロン氏が66.1%対33.9%で大勝したが、今回は接戦になるとみられる。イプソス(Ipsos)が4月10日に発表した世論調査では、マクロン氏が54%対46%で勝利すると予想されている。決選投票に向け、マクロン氏は「反極右」を掲げつつ、自身の政権公約について国民の理解を求めていくことになる。

敗退した候補者のうち、メランション氏は「ルペン氏には(決選投票で)1票たりとも与えてはならない」と繰り返し発言したほか、共和党、ヨーロッパ・エコロジー・緑の党、共産党、社会党の各候補者も、極右排除に向けてマクロン氏に投票するよう呼びかけた。

これに対し、ルペン氏は、政権交代の必要性を訴え、右派・左派を問わず、今回の投票でマクロン氏に投票しなかった有権者の全てに反マクロンで結集するよう求めた。同じ急進右派で4位につけたゼムール氏は、支持者に対しルペン氏への投票を呼びかけた。

(注)フランス大統領選挙は、第1回投票で得票率が過半数を超える候補がいない場合、上位2人の間で決選投票が行われる。

(山崎あき)

(フランス)

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