バイデン米政権、制裁回避の疑いあるロシアのネットワークに制裁、制裁対象の産業分野も追加

(米国、ロシア、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年04月01日

米国財務省は3月31日、ウクライナへの侵攻を理由にロシアに科している制裁の回避を行っているとして、21の事業体と13の個人を「特別指定国民(SDN)」に指定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

財務省によると、モスクワに拠点を置くセルニヤ・エンジニアリング(セルニヤ)という事業体が中心となって、各国に張り巡らせた拠点ネットワークを通じて、ロシアの軍や諜報(ちょうほう)機関のために、制裁を回避しながら西側諸国の重要技術を調達していたとされる。よって、セルニヤ以外にも、英国拠点のマジョリー、フォトン・プロ、スペイン拠点のインベンション・ブリッジ、シンガポール拠点のアレクソング・プテと呼ばれる事業体もSDNに指定された。セルニヤ中心のネットワーク以外でも、ロシア政府のウクライナ侵攻を支援しているとして、ロシア最大のマイクロエレクトロニクス製造のジョイントストックカンパニー・ミクロンを含むハイテク分野の事業体4社がSDNに指定された。SDNに指定された対象には、次の制裁が科される。

  1. 在米資産の凍結
  2. 米国人(注1)との資金・物品・サービスの取引禁止

また、それらが直接または間接的に50%以上を所有する事業体も同じ制裁の対象となる。今回指定されたSDNの詳細は財務省ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる(注2)。

制裁対象の産業分野に航空宇宙、海洋、エレクトロニクスを追加

米財務省はさらに、国務長官との相談を経て、大統領令14024号に基づく対ロシア制裁の対象分野に航空宇宙、海洋、エレクトロニクスの3分野を追加するとした。これまでは、金融、技術、防衛および関連資材の3分野が指定されていた。今回の追加指定により、これら産業分野に関与するいかなる個人・事業体に対しても、財務長官の判断で制裁を科すことができることになった。財務省は、今回追加した産業分野については、商務省が発動済みの輸出管理にかかる制裁に合わせたものだとしている(2022年2月25日記事参照)。

なお、商務省・産業安全保障局(BIS)は3月30日に、米国の輸出管理規則(EAR)に違反するかたちでロシア国内に入ったとみられる航空機のリストを更新したと発表している外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2022年3月22日記事参照)。BISによると、現状100機が掲載されているところに73機を追加し、12機を削除したとしているため、合計で161機が掲載されている。最新のリストはBISのロシア、ベラルーシ向け輸出管理の特設ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認ができる。これらの航空機に対して商務省の許可なくサービスを提供した場合、所在地にかかわらず、EAR違反のリスクを負い、禁錮や罰金などの法執行の対象になり得る。

なお、2022年2月以降にバイデン政権が発動した対ロシア・ベラルーシ関連の制裁についての記事は添付資料参照のこと。

(注1)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注2)ウクライナ情勢に関する財務省の制裁の全容については、財務省の「ウクライナ/ロシア関連制裁」のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。また、制裁対象に指定された個人・企業などについては、同省外国資産管理局(OFAC)のデータベース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでCountry欄のRussiaを選択し、Searchをクリックすることで確認が可能。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ウクライナ)

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