中国各地の新型コロナ感染拡大、自動車産業にも大きな影響

(中国)

上海発

2022年04月26日

中国の自動車産業情報サービスプラットフォームの盖世汽車(Gasgoo)は4月18日、新型コロナウイルス感染拡大による自動車産業への影響に関し、国内の自動車関連企業1,779社の回答に基づく調査結果を発表した。

感染拡大による経営への影響について、回答企業の38%が「非常に大きい」、30%が「大きい」と回答した(添付資料表1参照)。

主に影響を受けている分野については、33%が「物流停滞、部品の入荷ができない、製品の出荷ができない」、21%が「工場封鎖もしくは閉鎖型管理が必要」、19%が「材料在庫に限界があり生産維持が困難」と回答した(添付資料表2参照)。

対応策については、25%が「従業員を工場に常駐させて生産する」、18%が「生産ライン調整と感染影響のない地域の工場に生産移管」、14%「政策支援と融資を求める」と回答した(添付資料表3参照)。

新型コロナウイルス感染拡大による2022年の中国自動車市場への影響については、51%が「影響が大きく、通年での安定した成長は困難である」と回答した。一方、18%が「短期的には影響を受けるが、通年での影響は大きくない」、13%は「公共交通機関での感染を避けるため、自家用車の購入需要が再び喚起される」と回答した(添付資料表4参照)。

電気自動車(EV)の新興メーカー小鵬汽車の何小鵬董事兼CEO(最高経営責任者)は4月14日、「もし上海市とその周辺のサプライヤーが生産再開できなければ、5月には中国の全ての自動車完成車の工場が停止する可能性がある。この問題に政府と関連部門が共同で取り組むことを期待する」と、生産停止への懸念と政府の取り組みへの期待を述べた(「毎日経済新聞」4月15日)。

上海市経済信息化委員会は「上海市の工業企業の操業再開における防疫対策の手引き(第1版)」を発表するなど、企業の生産再開に向けた動きもみられる(2022年4月18日記事参照)。

(侯恩東)

(中国)

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